ボルボカーズは27日、燃料電池を使用してEVの航続距離を伸ばす実験を、2012年から開始すると発表した。
この実験には、『C30』をベースに開発したEVプロトタイプ、『C30DRIVeエレクトリック』を活用。同車は4輪にインホイールモーターを搭載。0-96km/h加速は9秒、最高速は160km/hで、最大約100kmをゼロエミッション走行できる。
本来のC30DRIVeエレクトリックは、レンジエクステンダー(走行距離延長)用の1.6リットル直列4気筒ターボディーゼルエンジンを搭載。バッテリー残量が少なくなると、このエンジンが始動。ジェネレーターを回してモーターに電力を供給すると同時に、バッテリーを充電する。
今回ボルボは、このレンジエクステンダー用エンジンに代えて、燃料電池と水素タンクを搭載。水素ガスと燃料電池によって生み出した電力をモーターへ送り、レンジエクステンダーの機能を持たせることとした。最大航続距離は250kmを想定。ボルボによると、エンジンと比べて、COやNOx、SOxをゼロにでき、CO2も大幅に減らせる効果が期待できるという。
ボルボはスウェーデンの電力会社と共同で、2012年から実証実験をスタート。同社のステファン・ジャコビー社長兼CEOは、「これはEVの市販に向けた大きな取り組み」と語っている。