スペシャリティな プリウス 、実用車に徹した フィットHV …岡本幸一郎

エコカー ハイブリッド
フィットHV と プリウス
フィットHV と プリウス 全 12 枚 拡大写真

本来は違うタイプのクルマ。それでも「ハイブリッド」という注目度の高い括りの中で、価格帯もそうかけ離れていないとなれば、比較したくなるのが心情だ。

かくいう筆者の現時点での考えは、手元にある愛車を所有したまま家族のために買い足すのであれば『フィット ハイブリッド(HV)』、今ある愛車を手放して買い換えるのであれば『プリウス』、かな…。

「ハイブリッド」の中身の違いこそ両車の決定的な差であるわけだが、大事なのは「気持ちの問題」かなと。

プリウスは、いわばハイブリッドのスペシャリティカー。すでに確立されたブランドイメージもあり、それなりに社会的地位のある人がファーストカーとして使っても恥ずかしくない雰囲気がある。クラウンから乗り換えた人が続出したのもうなずける。

ハード面でも、もはや半分EVであるかのような感覚や演出が楽しめるし、突出した燃費性能も、やはりプリウスならではの強味である。

対するフィットハイブリッドの本質は、あくまで実用コンパクトカーであることだ。ベース車ゆずりの広々とした室内や使い勝手のよさ、取り回しのよさなど、日常使う道具としての実力は、こちらのほうがプリウスよりもだいぶ上。そこにIMAによる動力性能や燃費の向上という恩恵を得たというクルマである。もちろん価格の安さも魅力的だ。

しかし、プリウスのような新しい乗り物という感覚は薄い。また、ミーハーな筆者もそうだが、世間体を気にすると、フィットハイブリッド1台だけだとちょっと寂しいかも。もうちょっと見た目に“誇れる”何かがあると事情は違ったかもしれないのだが、その点プリウスは上手いことやったもんだなと思う。

逆に、それら実益にはあまり関係のない「気持ちの問題」に、それほどこだわらない人にとっては、はるかにコストパフォーマンスの高いフィットフハイブリッドのほうが「賢者の選択」かと思う。

《岡本幸一郎》

岡本幸一郎

1968年、富山県生まれ。学習院大学を卒業後、自動車情報映像の制作や自動車専門誌の編集に携わったのち、フリーランスのモータージャーナリストとして活動。幅広く市販車の最新事情を網羅するとともに、これまでプライベートでもスポーツカーと高級セダンを中心に25台の愛車を乗り継いできた経験を活かし、ユーザー目線に立った視点をモットーに多方面に鋭意執筆中。日本自動車ジャーナリスト協会会員。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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