10点を与えたのはジャガー『XJ』。ジャガーは今年75周年を迎える歴史あるブランドです。スワローサイドカーカンパニーから数えれば、88年になります。で、1968年にリリースされたXJはその中心となるモデル。それがこれだけドラマチックに進化したのですから当然評価の対象になります。保守的だったジャガーをこれだけ大胆に変えるというのは英断といっていいでしょう。
しかも、走らせれば気持ちいいほどのスポーツカーライクに仕上がっています。これぞまさにジャガーネス。変えるところは変え、継承されるところは残すという見事なクルマに仕上がっています。ドライビングポジションはこれまでと変わらず、インテリアのインターフェイスはまったく新しくなりました。まるでマジックですね。他のブランド、特に日本のメーカーは見習うところがあると思います。
ついでにいうと、次点となるプジョー『RCZ』のデザインも高く評価するべきものだと思います。どれも似てしまいがちなこのクラスにおいて、明らかに独創的なものに仕上がっています。クルマは実用性も大事ですが嗜好性も重要。そんなことを思い出させてくれます。
九島辰也|モータージャーナリスト
外資系広告会社から転身、自動車雑誌業界へ。『Car EX』副編集長、『アメリカンSUV』編集長などを経験しフリーランスへ。その後メンズ誌『LEON』副編集長なども経験する。現在はモータージャーナリスト活動を中心に、ファッション、旅、サーフィンといった分野のコラムなどを執筆。また、クリエイティブプロデューサーとしても様々な商品にも関わっている。趣味はサーフィンとゴルフの“サーフ&ターフ”。 東京・自由が丘出身。