今年の私は、VW『ポロ』に10点である。
長距離&長時間、乗り続けても疲れを感じさせないすばらしいボディ剛性。シートの快適性にも抜かりがない。ガソリンエンジンの可能性を引き出すべく、いち早くダウンサイジングに取り組み、それをDSGと組み合わせ、エコだけでなく、走りの楽しさをも高次元でバランスさせるなど、まったくもって申し分ないのである。
そもそも日本の道のどこを探したって、このサイズで、こんなに見事に手を抜かずに作ったクルマはほかにない。裏を返せば、多くの国産車は手を抜きすぎなのだ。輸入車は価格が高いといわれるけれど、ポロについている装備を国産コンパクトに装着すれば、逆に国産コンパクトのほうが高いくらいだ。
小さいクルマは安全じゃないといわれるけれど、それって国産車が安全装備に手を抜いているからなんじゃないの? という疑惑さえ浮かぶ。ああ、いけない。国産車の悪口じゃなく、カー・オブ・ザ・イヤーの話だった。
惜しくも次点で、イヤーカー受賞を逃したけれど、ポロが本物であるということは、証明できたはずだ。国産メーカーの開発陣及び経営陣は、ぜひ、ポロを見て深く深く反省して欲しい。
岩貞るみこ|モータージャーナリスト/エッセイスト
女性誌や一般誌を中心に活動。イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に精力的に取材中するほか、最近はノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。JAF理事。チャイルドシート指導員。国土交通省安全基準検討会検討員他、委員を兼任。