羽田‐中部 スカイマーク深夜便の利用価値

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スカイマーク(大田区)が国内3路線目となる深夜便を、来年2月に就航予定だ。羽田空港と愛知県常滑市の中部国際空港(セントレア)を結ぶ新規路線。

同社は就航時間を新幹線の営業終了後に設定することを表明しており、「お求めやすい価格を設定する」(営業推進部)と語っている。空港に乗り入れする航空各社と協議を終えて、詳細を12月に発表する予定だ。

東京と名古屋を結ぶ新規路線は、羽田空港の国際ターミナル24時間化に伴う国際線乗り継ぎのほかにも、終業後の国内移動や、深夜バスの乗客にも利用が拡がる可能性がある。ただ、中部国際空港での国内深夜便の受け入れは初めて。国際線のような店舗の営業延長など対応が図られるかは未定だ。

新規路線の成立に不安がないわけではない。東京-愛知を結ぶ航空定期路線としては、82年に羽田空港と愛知県小牧市の名古屋空港を結ぶ全日空便が途絶えて以来、29年ぶりとなる。この時の廃止理由は新幹線との競合だった。

同社は既に羽田-北九州、羽田-那覇路線で深夜、早朝時間帯に運航しているが、東京-愛知はこれらの地域のように圧倒的に航空機が有利な路線ではない。利用者は航空運賃のほかに、空港を出た後の移動や宿泊料金も含めて、競合する新幹線と比較した価値を求めることになる。

空港と都心部の距離も、利用客数に影響すると思われる。北九州空港や那覇空港の場合は、深夜にタクシーを使っても市内中心部への移動は1500円から3000円ですむが、中部国際空港のある常滑市から名古屋市までは、深夜1万5000円ほどかかる。深夜バスは公共交通の始発が動く時間に乗り継ぎが見込めるが、航空機の深夜便では飛行時間の短いことが、発着時間の設定を難しくする。

名古屋市内に向かう旅行者を取り込むためには、中部国際空港内のホテルをはじめとする宿泊施設や交通機関の協力が不可欠だが、「まずは運航計画が詳しく決まってから」(中部国際空港関係者)と、周囲は様子見の状態だ。

《中島みなみ》

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