[バイオマスエキスポ10]王子製紙、バイオ燃料事業に本格参戦へ

自動車 ビジネス 企業動向
王子製紙
王子製紙 全 1 枚 拡大写真

「バイオマスエキスポ2010」が18日、東京・有明の東京ビッグサイトで開幕した。同展にはバイオマス関連についてさまざまなものが展示されていたが、その中で枝や葉からバイオエタノールをつくる技術をPRしていたのが王子製紙だ。

同社の東雲研究センター(東京都江東区)では、数年前から「木質エタノール」の研究を行っており、そのための機械や酵素を独自開発。それによって、従来に比べ倍の量の生産が可能になったという。

「木質エタノールはいかに材料を安価に集めるのがカギなんですが、その点で植林地をたくさん持つ製紙会社は有利だと思います。幹の部分はチップにして紙の原料にし、残った枝と葉を利用すればいいわけですからね。これまで細い枝や葉は捨てていたんです」と同社関係者は説明する。

王子製紙は国内では大阪府と同じ面積の植林地を持ち、そして海外には東京都と同じ面積の植林地を持っているので、原料には事欠かない。そして、バイオエタノールを生産すれば、資源の有効活用も図れるわけだ。

同社は来年度に呉工場敷地内にパイロットプラントを稼働させ、2015年度から年産1万キロリットル規模の設備を国内外の製紙工場などに隣接して建設する計画だ。そして、2020年までに東南アジアやオーストラリアなどの大規模植林地周辺に、10万~20万キロリットル規模のエタノール生産プラントを稼働させる考えだ。

国内の紙需要が頭打ちになっている中、王子製紙はバイオ燃料を新たな収益源にしようとしているのだ。社内では「紙を含めた“総合バイオマス産業”を目指す」という言葉が言われているそうだ。

バイオマスエキスポは主催:バイオマスエキスポ実行委員会、19日まで。

《山田清志》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  2. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  3. セリカに次ぐ「リフトバック」採用のカローラは、50年経ってもスタイリッシュ【懐かしのカーカタログ】
  4. 【マツダ CX-60 XD SP 新型試乗】やっぱり素のディーゼルが一番…中村孝仁
  5. 「内装は100点満点」フランス生まれの新型プレミアムハッチ『DS N°4』にSNS注目!「いい、凄くいい」の声
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  4. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  5. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
ランキングをもっと見る