【スバル フォレスターtS】輸入プレミアムSUVに負けない安定感

自動車 ニューモデル 新型車
フォレスターts_01
フォレスターts_01 全 10 枚 拡大写真
『フォレスターtS』は、スバルテクニカインターナショナル(STI)が手がけたコンプリートカーだ。フォレスターのラインナップで最も尖ったモデルである「S-EDITION」に対し、足回りを強化する各種パーツを装着して運動性能をアップさせたモデルとなる。

「STIが手がけたモデル」と聞くと、真っ先に思い浮かぶのは「速いんだろうな」というイメージだ。『インプレッサ』にしても『レガシィ』にしても、STIが手がけたクルマはとにかくスポーティな印象が先立つ。その一方で「ガチガチに固められていて、運転しにくいのでは?」、「日常的な使用には不向きでは?」というマイナスイメージも同時に思い浮かぶ。

ところが実際に試乗してみると、このマイナスイメージは一気に払拭された。試乗した日は季節外れのゲリラ豪雨に見舞われたのだが、フォレスターtSはまるで路面に吸い付くような、非常に安定した走りをみせてくれたのだ。大雨で視界が失われる中、真っ先に思ったのは「このクルマなら怖くない」ということだった。

STIの車両実験部に所属し、フォレスターtSの足回りを担当したエンジニア、坂田元憲さんは「エンジンとトランスミッションはベース車のものを使っており、STIが手を入れたのはダンパーやスプリング、タワーバーなど、操縦安定性に直結するアイテムとなります。STIのクルマづくりのコンセプトである“Sport, Always!”を継承しているのはもちろんですが、フォレスターtSはレガシィやインプレッサなどとはチューニングの方向性が若干異なります」と説明する。

レガシィやインプレッサと、フォレスターの違い。それは車高の高さだ。SUVであるフォレスターはインプレッサやレガシィよりも重心が高い位置にあるため、カーブを進行したり、レーンチェンジをした場合にロールを生じさせやすい。運転者はともかく、同乗者にとってはこのロールが不安要素のひとつとなっていた。フォレスターtSでは「同乗者に不安を感じさせない」ということを強く意識し、ロールを感じさせないチューニングを施したという。

「専用コイルスプリングを使用して車高を15mm落とし、タイヤの性能を引き出すことを目的に、接地荷重を安定させるためのパーツをフロントとリアの両方に装着しています。開発中にベンチマークとしたのはBMW『X3』ですが、これらパーツを装着したことによって、フォレスターtSは輸入プレミアムSUVに負けないハンドリングを実現しています」(坂田さん)

フォレスターtSは大きなクルマなのだが、ドライバーの意のままに動く。的確に決まるハンドリングは「自分の運転が上手くなった」と錯覚させるほどのものだが、クルマが大きいのでムチャはしにくい。自然とスムーズな運転をするようにくるし、そういう運転をすることにより、非常に乗り心地の良いクルマだとも感じてくる。

「カーブへ進入する際、同乗者に不安を感じさせないことを主眼において開発しているので、フォレスターtSはSTIのコンプリートカーとしては初めて“安全”がテーマになったクルマかもしれません」とも坂田さんはいう。

《石田真一》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. トヨタ『ライズ』がカラフルに変身!? フルーツがテーマ『ハバナ フルーティーポップ』、キャルズモーターが発売
  2. 一人乗りマイクロEV「EQV-TREK」発売、355kgの軽量ボディで航続110km…107万8000円から
  3. 新型取締機「JMA-520/401」に対応、セルスターがコンパクトな一体型レーダー探知機を発売
  4. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  5. 世界初、個人所有できるレベル4自動運転「ロボカー」誕生、2026年に納車開始
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る