【ATTT10】モジュールと情報配信プラットフォームで車載分野の拡大狙う…NTTドコモ 小森光修氏

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NTTドコモ 常務執行役員 小森光修氏
NTTドコモ 常務執行役員 小森光修氏 全 18 枚 拡大写真

トヨタ自動車 取締役常務 友山茂樹氏に続いてオープニングキーノートをおこなったのは、NTTドコモ 取締役常務執行役員で研究開発センター所長の小森光修氏。小森氏の講演内容はLTEや次世代通信技術など多岐に渡るため、車載分野に絞って講演のダイジェストをレポートする。

ドコモの組込機器向け通信モジュールは、2005年を境にPDCのDoPaからW-CDMAのFOMAへと移行。DoPaへの新規申し込みはすでに打ち切られ、2012年3月末にはmovaとともにサービス終了を迎えることが決まっている。

ドコモでは2009年よりFOMAの車載モジュール(テレマティクスモジュール)の展開を本格化させた。しかし、小森氏によれば「車載は音や振動などにさらされるため、一般的な携帯電話と比べても遙かに品質の要求水準が高い」という。

2009年に発売したFOMAテレマティクスモジュール『TM01-SA』は音声通信とネット通信が同時に可能で、800MHz帯にも対応しており、利用可能エリアも広いことが特徴だ。本モジュールは日産『リーフ』への搭載が決まっている。小森氏は、「こうした車両組込みの通信モジュールはニーズはあるが高級車に限られるだろう」と見ており、当面は「通信モジュール付きのPNDの利用」や「Bluetoothを介したスマートフォンで車載器と連携」といった利用が中心になると見る。しかし、渋滞情報やコンテンツなど様々な情報をリアルタイムで利用できる通信機能は「お客様にとってはあった方がいいはずで、当社としてはすべての車に通信を行き渡るようにしたい」(小森氏)。

そこで車内常時接続時代に向けて開始したサービスが「ドコモ ドライブネット」だ。配信プラットフォームをドコモが提供し、ユーザーは交通/POI系の情報やサービスを利用できる。ドライブネットの第一弾として、サンヨー『ゴリラプラス』が販売をスタートしており、パイオニアは2011年春にもドライブネットに対応したスマートフォンと接続できるGPS/加速度センサー/ジャイロ内蔵の車載クレードルを発売予定だ。

小森氏は「ドライブネットのサービスはこれから出てくるスマートフォン、タブレットにぜひ広げて行きたい」として、ドライブネットのアライアンスをさらに拡大していく意向を示した。

このほか盗難防止や運行情報の提供といった利用を想定している「SMSプッシュサービス」や日産自動車やNECなどと共同でおこなったEVコミュニティ実証実験「スマートネットワークプロジェクト」、地域ごとの通信利用の傾向を分析して都市開発に役立てるという「モバイル空間統計」の実験なども披露した。

最後に小森氏は、「31年前に生まれたモバイル通信は自動車電話が発端。当時は自動車で使える電話を作る、ということが目的だったが、その後ここまでの普及と進歩は想像できなかった。電力は車からもらえる、重いバッテリーも搭載できるという端末側が恵まれた環境にあったからこそセルラー方式のネットワークを構築できた。つまり自動車電話がインキュベーターの役割をしてくれた」と語り、自動車と通信の関係性を強調。「今後は自動車業界もEVを初めとする新しい技術革新がある。お互いに力を合わせて大きな発展を遂げていければ」と期待を語った。

《北島友和》

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