パナソニック、車載機器などの小型化に貢献するMEMS共振器を開発

自動車 ビジネス 企業動向
ねじり振動モードの模式図とMEMS共振器の断面構造
ねじり振動モードの模式図とMEMS共振器の断面構造 全 1 枚 拡大写真

パナソニックは、共振の尖鋭度を示すQ値が業界最高値で低電圧駆動が可能な「MEMS共振器」をベルギーのimecと共同開発した。家電機器や車載機器などで使用されるタイミングデバイスの小型化、低消費電力化に貢献する。

ねじり振動モードは、振動部の両端が固定され中央部に振動が集中し、振動エネルギー損失が小さいため、高いQ値を実現する。開発した技術では、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)を用いた単結晶Si(単結晶シリコン)の異方性エッチングにより形成された高さ3μm、長さ約100μmの三角柱形状の振動部と、一定のギャップを介して振動部の三角柱斜面に沿って配置された多結晶Siで構成する電極とによりMEMS共振器を構成する。ねじりモーメントが最大となるように励振電極の高さを振動部高さの1/2に設定することで、高いQ値を実現した。

また、振動部と電極とのギャップを130nmまで狭小化することで低電圧での駆動が可能となる。加えて460度以下の低温プロセスに対応したSiGe(シリコンゲルマニウム)薄膜を用いたウエハレベル薄膜真空パッケージ技術により、空洞部の圧力を真空保持する。

気相フッ酸により酸化膜犠牲層をエッチングした後、アルミニウム(Al)薄膜により開口部が封止されるため、空洞部内をAl成膜時の真空度である10Pa以下で保持することが可能となる。真空封止されたMEMS共振器は、マイナス40度からプラス140度までの広い温度範囲で安定した共振器特性を実現する。

パナソニックでは、将来的にさらに厳しい周波数安定度が要求される通信機器用途や、共振周波数変化を利用した高感度力学量センサなどにも展開していく。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ベントレー史上最大のデザイン革命」初のコンセプトEVは、全長5m超えの3名乗りクーペ
  2. もしも「タイプ992」が初代911をオマージュした世界線だったら…? ウクライナのデザイナーが再解釈
  3. 「鈴鹿8耐」最注目のヤマハ車は完全新作の『YZF-R9』! 150万円を切るなら「ブレイクの予感」しかない
  4. バイクの外観を損ねない!超強力マグネットのスマホホルダー「フリークマウント2.0」に新色5色
  5. まさに水上のスポーツカー!ブラバスの「電動ジェットボード」登場、世界77台限定で340万円
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  4. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る