【D視点】熱い!!…メガーヌルノースポール

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ルノースポール・シリーズ
ルノースポール・シリーズ 全 14 枚 拡大写真
1
 エンスー好みのスルメ味

3代目ルノー『メガーヌ』は2008年にパリサロンでデビューした。その最強版のクーペモデル「ルノースポール(RS)」が10年12月に日本導入された。車両価額385万円は競合他車と比べてお買い得感がある。発売は11年2月10日の予定だ。

3ドアハッチバック、5人定員のボディサイズは、全長4320mm×全幅1850mm×全高1435mm、車両重量1430kg。走りに徹した高剛性の「カップシャシー」に搭載される、2.0リットル16バルブツインストロークターボエンジンは250馬力を発し、6速MTと組み合わされ、LSDも標準装備となっている。

【画像全14枚】

ボリューム感溢れる流麗なボディは、F1のフロントスポイラーをイメージしたフロントアンダーグリルや、センター特大1本出しエクゾーストなどでスポーツ性を強調している。インテリアも同様に、レカロのバケットシートをはじめイエローバックのタコメータやアルミペダルなど、走りのアイテムでまとめられている。

3モードの横滑り防止装置(ESP)「RSダイナミックマネジメント」と「RSモニター」に注目したい。ESPのオン、オフやアクセル感度の調整、ラップタイムやエンジン状態をモニタリングできる機能を有しているのだ。ドライバーの技量に合わせてドライビイングテクニックを高められるルノースポールの奥の深さは、「スルメ味」に譬えられる。

2
 フランスのレース魂

ルノーは1900年代からモータースポーツに参加しており、アルピーヌやゴルディーニなどのチューナーを通してレースやラリーに参加していた。1973年アルピーヌ買収をきっかけに、スポーツ部門「ルノースポール」を設立し、モータースポーツだけではなく市販車のルノースポール仕様を製作している。

77年からはF1にも参戦し、2005年と06年2年連続のコンストラクターズ、ドライバーズの両タイトル獲得が知られる。11年からはエンジンの供給のみを行なうようだが、F1に初めてターボチャージャーを採用した実績もあり、サプライヤーとなっても目が離せない。

F1以外のフォーミュラカーでは「フォーミュラルノー」や「ワールドシリーズバイルノー」を各国で展開し、F3やGP3へのエンジン供給も行なっている。また、耐久レースやラリーにも参加し、ルノーの市販モデルをベースにレーシングカーを仕立てたワンメイクレース開催など、活動は多岐にわたっている。

若手レーシングドライバーの育成実績も含めて、欧州のモータースポーツにルノースポールは欠かせない存在となっている。これらの活動に裏付けられたルノースポール仕様は、カタログスペックで語れない楽しさを感じさせる。

3
 目利きが多い日本?

先代メガーヌ・ルノースポールは、03年の発売から09年までに世界30か国で2万2500台以上が販売され、日本では04年から10年までに480台が販売された。フランスで競合車の多いこのクラスのスポーツモデルで44%のシェアを占めるのは、確かな内容が評価されているからであろう。

ヨーロッパで09年に販売したルノースポール車の合計は3万2800台に達している。日本での販売台数は国別で9番目だが、ヨーロッパを除くと日本がナンバーワン市場なのだそうだ。最近では日本のルノーの販売台数の半数前後がルノースポールだと聞くに、唖然とさせられる。

日本では、たとえば陶器などいわゆる美術品だけではなく、完成度の高いクラシックカーも意外に多く蒐集されている。クラシックカーと同様、技術の粋を集めたスポーツモデルに関心が高いのは、日本人に目利きが多い表れとも言える。

スポーツモデルは台数が伸びない割に開発費がかさむので、本格的に作り込まれたモデルが少ない。採算を度外視したようなルノーの力の入れ方は、ルノースポール部門の頑張りによるところが大きいようだ。このような頑張りは好感が持てるし、クルマの明るい未来のためにもメガーヌ・ルノースポールにエールを送りたい。

D視点:
デザインの視点
筆者:松井孝晏(まつい・たかやす)---デザインジャーナリスト。元日産自動車。「ケンメリ」、「ジャパン」など『スカイライン』のデザインや、社会現象となった『Be-1』、2代目『マーチ』のプロデュースを担当した。東京造形大学教授を経てSTUDIO MATSUI主宰。【D視点】連載を1冊にまとめた『2007【D視点】2003 カーデザインの視点』を上梓した。

《松井孝晏》

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