【GM工場見学レポート】シボレー ボルト の生産ラインを見た

エコカー EV
ハムトラミック工場のボルト生産ライン
ハムトラミック工場のボルト生産ライン 全 18 枚 拡大写真

ゼネラルモータース(GM)はデトロイトモーターショーの開催に合わせ、世界各国のメディアを招き米国ミシガン州にあるハムトラミック工場の見学会を開催した。この工場では、シボレー『ボルト』の生産が開始されたばかり。その生産ラインを見学できるとあって記者団の興奮も高まる。

デトロイトモーターショー会場すぐ近くのGM本社、ルネサンスセンターからバスで約20分ほどをかけて、ハムトラミック工場に到着した。まず目に入って来たのがソーラーパネルを備えた駐車スペースに並ぶボルト達。もちろん充電ケーブルにつながっている。10台のボルトがずらりと並ぶ光景はなかなかの迫力だ。後ほど聞いた説明では、ハムトラミック工場は約3万平方mものソーラーパネルを設置しており、500kW、工場で使用される10%の電力をまかなうことができるということだ。

まずは会議室でハムトラミック工場についてのレクチャーを受ける。同工場では現在キャデラック『DTSプレミアム』、ビュイック『ルセーン』に加え、年末よりシボレーボルトの生産を開始した。1100人の従業員を抱え、2010年の生産台数は5万1173台にものぼる。同工場は次世代環境車の生産拠点としての役割を与えられており、3億3600万ドル(約278億円)もの追加投資をおこなうことが明らかにされている。

いよいよ生産ラインの見学だ。工場内は約33万平方mと広大。大きく「ボディ組立て」、「塗装」、「最終組み付け」のエリアに分かれており、これらをカートに乗って見学する。ざっと見た所、5〜7台に1台の割合でボルトがラインを流れていた。1日の生産台数が290台ということを考えると、意外と多いという印象を受けた。

ボルトの特徴的なボディラインは、「素」の状態でも一目でそれとわかる。ボディが組み上げられるとボディは塗装され、ボルトならではの行程であるバッテリーの組み込みが行われる。技術者がT字型のバッテリーをクレーンとリフトを使い、ボディ下部から組み込む。その様子はさながら合体ロボのようだ。あとはモーター、エンジン、内装やライト類、ガラスを組み込んで完成となる。

カートでの移動中、サービスなのか移動のためか、完成したボルトが工場内の通路を音も無く走行してくるという場面にも遭遇した。ボルトは通常走行時はゼロエミッションのため、室内の走行でもまったく問題ないのだろう。自動車の新たな在り方を目の当たりにした気がした。

GMはボルトについて、どんな型にもはまらない「プラクティカル(実用的な)EV」だと説明する。移動距離の長いアメリカにおいて、燃費や航続距離をほとんど気にせず、かつクリーンに走行できるボルトは、燃費への関心が高まりつつある市場に大きなインパクトをもたらすだろう、と同社は胸を張る。

残念ながら日本での販売はアナウンスされていないが、テストのため年内に日本にも導入されるという。このハムトラミック工場で生み出されたボルトが、アメリカだけでなく、世界にどんな影響を及ぼして行くのか。そして、この工場からいずれ生み出される新型エコカーにも要注目だ。

《宮崎壮人》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  3. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  4. トヨタ RAV4 新型、PHEVのEV航続は150km
  5. スバルマークの方が似合う? 新型ダイハツ『ムーヴ』のスバル版にSNSも注目!
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  4. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  5. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
ランキングをもっと見る