気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊（朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版）から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2011年1月20日付
●グアム移転日米合意、防衛相沖縄にきょう伝達（読売・1面）
●アップル過去最高益、10〜12月期、アジアでの販売好調（読売・10面）
●KDDI、交流サイトに年齢情報（読売・34面）
●最新EV表情様々（朝日・14面）
●ダイハツ数年内、軽のEV発売へ、トヨタと開発協議（毎日・7面）
●NY円上昇、一時81円台（産経・9面）
●インドの交通事故、ガンジスのほとりで（産経・9面）
●VW、日本でHV、来月発売、トヨタ牙城に攻勢（産経・10面）
●ダイハツ低燃費の「軽」100万円未満、今夏投入（産経・10面）
●どう動く春闘、給与総額1%増で攻防、優先順位で平行線（産経・11面）
●日航「鶴丸マーク」復活へ、新生の象徴に（東京・1面）
●トヨタ労組ベア見送り（東京・3面）
●ガソリン7週連続上昇、平均価格7ヵ月ぶり137円（東京・7面）
●日野自、本社工場を閉鎖、20年めど、トラック生産再編（日経・1面）
●ソニー、新卒3割外国人、13年採用、比率2倍（日経・1面）
●インドネシア、車販売最高の76万台、昨年、生産も70万台（日経・7面）
●丸紅、リチウム加工参入、電気自動車の電池用（日経・11面）
●先読みビジネス天気図 自動車、続く反動減、HVに活路（日経・11面）
●日産自動車の今期、中国の営業益、1000億円超（日経・15面）
ひとくちコメント
日野自動車が創業の地である東京都日野市の本社工場を閉鎖するという。きょうの日経が1面トップで報じている。20日にも発表するそうだ。
それによると、茨城県古河市に建設する新工場に段階的に生産を移し、本社工場は2020年までに閉鎖する。移管に合わせ国内の生産能力を年20万台にほぼ倍増。生産効率も大幅に引き上げ、新工場を環境対応トラックの低コスト輸出拠点と位置づけるとしている。
日経の「日野自、本社工場を閉鎖」との大きな見出しは、長年、企業城下町を築き上げてきた関係者にとっては衝撃的なニュース。だが、よくサブ見出しをみると、「20年めど、トラック生産再編」としている。つまり、完全閉鎖は9年以上も先になる。しかも、本社工場に勤務する従業員の処遇についても、記事によると「約2500人は新工場などへの配置転換で雇用を維持する」そうだ。
沖縄の米軍基地移転構想ならともかく、一寸先も闇のトラック業界で「20年をめど」とは、ずいぶん気が長い計画だが、この記事のポイントは「トラックの国内生産体制再編」と「年20万台規模の新工場に段階的に生産を移す」という部分である。
日野の親会社のトヨタ自動車は、ライバル関係にあるいすゞ自動車の大株主（5.89%取得）でもある。次のステップでは、いすゞを巻き込んだトラック再編のシナリオにも注目したい。