【フォード クーガ 試乗】欧と米のクルマづくりが活きている…森口将之

試乗記 輸入車
クーガ
クーガ 全 12 枚 拡大写真

アメリカとヨーロッパの両方に開発拠点を持つフォード。それ故に「ブランドイメージが見えにくい」というネガな意見も聞かれるけれど、逆にいい面もある。それを『クーガ』に乗って思い知らされた。

【画像全12枚】

シャープなスタイリングは『フォーカス』にも似ていて、このクラスのSUVでは群を抜いてダイナミック。サイドウインドーの後端をスッと跳ね上げたり、リアゲート中央にエッジを立てたりして、「動き」を出そうとしている工夫が手に取るように分かる。

それでいてキャビンの使い勝手は、1960年代に早くもSUVを名乗る『ブロンコ』をリリースし、近年は『エクスプローラー』という全米ベストセラーSUVを登場させた経験が生きている。全開のほか上半分だけも開閉できる2ウェイ式リアゲートや、ダブルフォールディング方式で低くフラットに畳める後席が、愛すべき道具感を生み出している。

2.5リットル直列5気筒ターボはフォーカスSTにも積まれていたエンジンで、最高出力と最大トルクは200ps/32.6kgmにも達するから、5速ATを介しての加速はかなり強力。回せば独特の5気筒サウンドも楽しめる。一方でクルージングに入れば余裕のトルクが、SUVにふさわしいリラックスしたクルージングを味わわせる。

プラットフォームもフォーカスと共通。と書けば走りがいいことは改めて書くまでもないだろう。しっとり快適な乗り心地をもたらしながら、ステアリングの切れ味はシュアで、コーナーでは前後の駆動力配分を100:0から50:50の間で最適制御する4WDシステムのおかげもあり、高度なロードホールディング性能を発揮する。

おまけにクーガはオフロードも予想以上にイケる。トルクに余裕のあるエンジン、状況に合わせた駆動力を生み出す4WDシステム、BLD(ブレーキ・ロック・デファレンシャル)といったメカニズムもおかげもあるだろうが、それ以上にフォードのSUV経験の豊富さを教えられる。

スタイリッシュなデザインを持ち、オンロードをきっちり走れるパフォーマンスを備えながら、SUVならではのマルチパーパス性も犠牲になっていない。アメリカとヨーロッパの両方のクルマづくりを熟知しているフォードだからこそ、クーガのようなSUVを作れたのだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

森口将之|モータージャーナリスト
試乗会以外でヨーロッパに足を運ぶことも多く、自動車以外を含めた欧州の交通事情にも精通している。雑誌、インターネット、ラジオなどさまざまなメディアで活動中。著書に『クルマ社会のリ・デザイン』(共著)、『パリ流 環境社会への挑戦』など。

《森口将之》

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