[ARTA体制発表]GT500は“2枚交換”、フレッシュだが実は…

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ARTA HSVと武藤英紀(右)、小林崇志(左)
ARTA HSVと武藤英紀(右)、小林崇志(左) 全 6 枚 拡大写真

3月1日、豊海小学校での“SUPER GT校庭デモンストレーション”を敢行したARTA(オートバックス・レーシング・チーム・アグリ)は、同日午後、都内ホテルにて2011年の体制発表会も実施している。

[写真6点。ARTA GALSも]

メイン参戦カテゴリーであるSUPER GTのGT500クラス(使用マシンはホンダHSV-010 GT)については、武藤英紀&小林崇志の新コンビになることが、既に公開されているホンダ全体の体制のなかで発表済み。他のホンダ勢4チームが前年のコンビを継続したなか、ARTAは“2枚交換”という思い切った策で11年に挑む。しかも米国インディがえりの武藤とF3あがりの小林ということで、ともすると「いきなり結果を出すのは難しいのでは?」と思われがちな布陣だが……、このフレッシュコンビにそんな心配は無用である。

まず武藤は、渡米前の06年にナカジマレーシングからGT500に初参戦し、同年最終戦では優勝を飾った経歴の持ち主。昨年までのインディカー・シリーズ参戦(最高位2位=日本人歴代最高)の印象が強いため、シングルシーター専門選手のようなイメージがあるかもしれないが、GT500に関しても確固たる実績の持ち主なのだ。

「まず1勝。その先にチャンピオンシップも見えてくると思うので。(久々のGT500復帰なので)わからないことも多いが、とにかく一生懸命がんばる」と、28歳の新エースは意気込む。またインディに関しても、シリーズ参戦こそ今季は取りやめたが、「今年が最後の開催になるインディジャパン(もてぎ、9月)には出たい」と、スポット参戦の可能性を模索するようだ。その実現にも期待したい。

一方、SUPER GTフル参戦は今季が初めての小林。いきなりの大任ではあるが、実はこちらも既にして確かな実績の持ち主だ。

全日本F3・Nクラス(チャンピオン獲得)を主戦場としていた昨季、小林はSUPER GTの鈴鹿700kmにARTAの第3ドライバーとしてスポット参戦したのだが、チームの手違いから、ポールポジションを決める予選最終セッションのドライバーを彼が務めることとなってしまう。しかしなんと、そこで見事にポールポジションを獲得! マシンのコンディション的に優位な状況だったとはいえ、まったくの新人がスポット参戦でいきなり演じた快挙であった。手違いというよりは、鈴木亜久里監督の演出かと思えるような顛末---。

F3を卒業し、今季はフォーミュラ・ニッポンにもリアルレーシングから参戦、GT500でもARTAのレギュラーに昇格と、小林はまさに11年のシンデレラボーイとなった。

「去年いきなりポールが獲れたからといって、簡単な世界じゃないことはよくわかっています」。昨夏の鈴鹿に関しては、ある意味、ドライビングだけに集中すればよかった状況なので、「できて当たり前でした」。だが、今季は武藤とともに自分たちでマシンをつくりあげていかなければならない。

「去年とは違って(さらに)難しいことに取り組まなければなりませんが、勉強して、しっかりシリーズを戦って、最終的には勝てるようにしたい。自信ですか? あります」。23歳の新進気鋭は、冷静に燃えている。

鈴木亜久里監督とARTAが思い切った起用に臨むのは、これが初めてではない。2007年にチャンピオンを獲得した翌年には、やはりフル参戦ルーキーだった伊沢拓也をカーナンバー1のマシンに乗せるというチャレンジを決行。続く2シーズンで彼を勝てるドライバーへと成長させた実績がある(そして伊沢は昨年からチーム国光のエースとなった)。それだけに、見る側の期待値も当然高くなる。

チーム体制の変化も含めて、GT500は「心機一転の年」と語る亜久里監督。注目の11年SUPER GTシリーズの開幕戦は、4月3日決勝の岡山国際サーキット戦。今季のホンダ勢では唯一のフレッシュコンビ、武藤&小林のARTA HSVの走りに、大いに注目したい。

《遠藤俊幸》

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