いま、クルマとインターネットの関係が大きく変わりつつある。かつて独立して動いていたカーナビやインフォテインメントも、通信機能との連携が当たり前になりつつある。
通信機能を備える新車は増えており、そうでなくてもスマホを車両のインフォテインメントシステムに接続してナビアプリを使ったり、音楽のストリーミングサービスを利用したりする人は多い。クルマとスマホ、そしてインターネットを連携させることは、いまや自然な使い方になっている。
問題は、クルマとスマホ、インターネットをどう接続して便利に使うかだ。クルマにApple CarPlayやAndroid Autoが備わっていれば、それを利用するのが一般的だが、さらに機能を拡張するという選択肢もある。
そこで今回は、車内のデジタル環境を手軽にアップデートできるアイテムとして注目されているOttocast(オットキャスト)を実際に試してみた。
OttocastはApple CarPlayやAndroid Autoのワイヤレス化を実現するアダプターだけでなく、AndroidをベースとしたAIBOXや後付けディスプレイなど幅広い製品を展開している。純正の有線CarPlayをワイヤレス化したい人から、車載ディスプレイで動画や各種アプリを利用したい人、古いクルマへ新たにディスプレイを追加したい人まで、目的に応じて製品を選べるのが特徴だ。
今回はそんなOttocastシリーズの中から、フラッグシップAIBOXの「OTTOAIBOX P3 Pro」、ドライブレコーダーとワイヤレス接続機能を組み合わせた「OttoSafe Cam」、11.4インチディスプレイを備える「Screen AI」の3製品を実際に装着して使い勝手を確かめた。
◆OTTOAIBOX P3 Proは純正ディスプレイを多機能化するフラッグシップAIBOX
Ottocast P3 Pro
まず試したのは、OttocastのフラッグシップモデルとなるOTTOAIBOX P3 Proだ。純正の有線CarPlayに対応する車載ディスプレイなどへ接続することでCarPlayやAndroid Autoのワイヤレス利用を可能にするだけでなく、P3 Pro自体をAndroid端末のように使えるのが大きな特徴となる。車種や車載機によって適合条件が異なるため、導入前には公式サイトでの適合確認が必要だ。
Ottocast P3 Pro本体P3 ProにはAndroid 13とOttocast独自の車載システム「OttoDrive 3.0」が採用され、8GB RAM+128GBストレージを搭載。Google MapsをはじめYouTube、Netflix、Prime Video、Spotifyなどのアプリを利用できるため、スマホのCarPlay/Android Auto画面とは別にP3 Pro単体でさまざまなサービスを使える。
インターネットへの接続方法も豊富だ。スマホのテザリングに加えてnanoSIMを本体へ装着できるほか、物理SIMを用意せずデータ通信を利用できるOttocastのクラウドSIMにも対応している。つまりスマホを毎回通信元として使わなくても、P3 Pro単体でオンライン環境を構築できるのだ。
Ottocast P3 Proを車内USBに接続すれば設定完了接続も比較的シンプルで、基本的には対応する車載USBポートへP3 Proを接続する。車両の仕様によっては電源容量などの影響を受けるケースもあるものの、一度セットアップすれば日常的な操作はかなり手軽になる。
今回はマツダ・ロードスターに接続した。マツダの横長ディスプレイでも問題なく表示できたが、今回使用した車両の純正ディスプレイはタッチ操作に対応していないため、タッチパネルを前提としたP3 Proのインターフェイスをそのまま操作することはできない。しかしP3 Proは専用アプリ「AiControl」をダウンロードすることで、スマートフォンからAIBOXを操作することができるし、非タッチパネル車向けとしてOTTOCAST純正Bluetoothリモコンも用意されている。
Ottocast P3 Proを接続すると自動的に設定が行われる画面分割に対応するのもP3 Proの魅力だ。たとえばナビを表示しながら別のアプリを同時に表示するなど、大画面を効率良く使える。ただしアプリ側の仕様によって分割表示できないものもある。
さらにAI音声アシスタントも搭載されており、ナビゲーションや音楽、動画、天気などを音声で操作できる。タッチ操作だけに頼らず機能を呼び出せるのは、車載機器との相性が良い。
Ottocast P3 ProP3 Proが特に向いているのは、純正ディスプレイを活用しながら車内エンターテインメントを充実させたい人だろう。通常のCarPlayやAndroid Autoでは安全上の理由からYouTubeやNetflixなどの動画アプリを車載画面で自由に利用することはできないが、P3 Proは独立したAndroidベースの端末として動作するため動画サービスを利用できる。ただし走行中の動画視聴は助手席や後席の同乗者向けとし、ドライバーが画面を注視しないことが大前提だ。
もうひとつP3 Proと相性が良いのが、ナビ機能を持たないディスプレイオーディオ装着車だ。ここ数年は専用カーナビを内蔵せず、CarPlayやAndroid Autoを通じてスマホのナビアプリを利用するディスプレイオーディオを採用するクルマも増えている。
Ottocast P3 ProP3 Proを接続すればGoogle Mapsなどの地図アプリを本体側で動かせるため、スマホを接続しなくても通信型ナビとして使える。Google Playや各種アプリを利用できる点も含め、車載ディスプレイの機能を大幅に広げられるのは大きなメリットだ。
ここで注意したいのが「Google built-in」との違いだ。Google built-inはGoogle MapsやGoogle Play、GeminiなどのGoogleサービスを自動車メーカーが車両のインフォテインメントシステムへ組み込んだものを指す。P3 ProはGoogle Mapsや各種Androidアプリを利用できるため使い勝手が似ている部分はあるものの、Google built-inそのものではない。あくまで既存の車載ディスプレイへAndroidベースの機能を後付けするAIBOXと考えるのが正確だ。
Ottocast P3 Proちなみに動画は外部出力も可能。たとえば後席へディスプレイを装着し、そこへOTTOAIBOX P3 Proの動画信号を送って映像を流すこともできる。またメーカーによると、次に紹介するドライブレコーダー「OttoSafe Cam」との接続にも対応するなど発展性が高いのも見逃せない美点だ。
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OTTOAIBOX P3 Proのご購入はこちら!◆OttoSafe CamはドラレコとワイヤレスCarPlay/Android Autoを一体化
OttoSafe Cam次に試したのがOttoSafe Camだ。これは前後2カメラのドライブレコーダーとワイヤレスCarPlay/Android Auto機能を組み合わせた製品で、ドライブレコーダーの映像を車載ディスプレイで確認できるのが大きな特徴となる。純正の有線CarPlay搭載車が基本的な対応条件となるため、購入前には車種適合を確認しておきたい。
商品はフロント側のOttoSafe Cam本体、ワイヤレスCarPlay/Android Autoアダプター、リアカメラなどで構成される。前後カメラを設置して電源を接続し、アダプターを車載ディスプレイ側へ接続。スマホをアダプターとペアリングすればCarPlay/Android Autoをワイヤレスで利用できる。
OttoSafe Cam実際にロードスターへ装着してみると、このクルマとの相性はかなり良かった。ロードスターはフロントウインドウが小さいため、ドライブレコーダーはできるだけ視界を邪魔しないものを選びたい。その点、ディスプレイを持たないコンパクトなフロントカメラは装着後の存在感が小さい。リアカメラも小型なので取り付け場所が限られるロードスターへ無理なく設置できた。幌の一部が映像に入り込むのは、取り付け位置が限られるロードスターならではの事情だ。
OttoSafe Cam操作性にもメリットを感じた。一般的なドライブレコーダーでは本体の小さな画面やスマホで録画映像を見るケースが多いが、OttoSafe Camは車載ディスプレイ上でリアルタイム映像や録画映像を確認できる。万が一のアクシデントが起きた際、大きな車載画面ですぐに映像を確認できるのは実用上かなりありがたい。録画データはスマートフォンからも確認・管理できる。
OttoSafe Cam今回装着したロードスターの純正ディスプレイはタッチ操作に対応していないものの、車両に標準装備されたコマンダーダイヤルを使ってドライブレコーダー機能の設定まで操作できた。タッチパネル非対応車でも純正操作系を利用できるため、使い勝手は良好だった。
カメラはフロント/リアの前後2カメラ構成で、走行中の状況を鮮明かつクリアな映像で記録できる。広角撮影に対応しているため前後の広い範囲をカバーでき、昼間はもちろん夜間の録画にも対応。一般的なドライブレコーダーとして必要な基本性能をしっかり備えながら、ワイヤレスCarPlay機能も組み合わせた3-in-1モデルならではの利便性を実現している。
OttoSafe Camの受信機をOttocast P3 Proに置き換える事で動画コンテンツもワイヤレスで楽しめるようになるGセンサーによる衝撃検知機能も備え、衝撃を検知した映像は自動的に保護され上書きを防ぐ。さらに車載ディスプレイをダブルタップすることで、必要な瞬間を静止画として保存する機能も用意されている。録画映像はmicroSDカードへ保存され、別売の専用配線を追加すれば24時間駐車監視にも対応できる。
ロードスターのようにドライブレコーダー本体をできるだけコンパクトに収めたい車両はもちろん、CarPlay/Android Autoのワイヤレス化と前後ドライブレコーダーの導入をまとめて済ませたい人にとってOttoSafe Camはユニークな選択肢となる。
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OttoSafe Camのご購入はこちら!◆Screen AIなら古いクルマにも11.4インチのスマートディスプレイを後付けできる
Screen AI3つ目に紹介するScreen AIは、P3 ProやOttoSafe Camとは性格が大きく異なる。最大の違いは11.4インチのタッチディスプレイそのものを備えていること。つまり純正ディスプレイやCarPlay対応車載機を持たないクルマにも後付けできるのだ。
Screen AIはAndroid 15を搭載し、8コアCPU、4GB RAM、32GB ROMを採用。Gemini AIによる音声操作にも対応する。11.4インチの高解像度タッチパネルを備え、ワイヤレスCarPlay/Android Autoでスマホを接続できるだけでなく、Screen AI自体をAndroid端末として使えるのが大きな魅力だ。
Screen AI感覚としては横長の大型Android端末をダッシュボードへ追加するイメージに近い。YouTubeやNetflix、Prime Video、TikTokなどのアプリを利用でき、Google Mapsなどの地図アプリも使える。SpotifyやAmazon Musicといった音楽ストリーミングサービスにも対応し、必要なアプリを追加することで機能を広げていけるのはAndroid搭載端末ならではだ。
Screen AI取り付けもシンプルで、ダッシュボード上など視界を妨げない場所に本体を固定してシガーソケットに差し込むだけで電源が入り、簡単に使う事ができる。大がかりなインパネ加工を必要としないため、軽自動車や普通車、SUV、ミニバンはもちろん、純正ナビが古い中古車などにも導入しやすい。ただし実際の取り付けでは前方視界やエアバッグの展開範囲を妨げない位置を選ぶ必要がある。
Screen AI画面分割表示にも対応しており、たとえば片側にナビを映し、もう片側で音楽アプリを表示するといった使い方ができる。動画と地図を組み合わせることも可能だが、走行中の動画視聴は助手席や後席の同乗者向けとし、ドライバーは動画や画面を注視しないことが大前提となる。
Screen AI音声を車両のオーディオで再生する方法も豊富で、Bluetooth、AUX、FMトランスミッターに対応する。AUX入力しかない少し古いクルマやBluetoothオーディオを備えるクルマなど、車両側の環境に合わせて接続方法を選べるのは使いやすいポイントだ。本体にもスピーカーが内蔵されているため、車両のオーディオと接続しなくても音声を出すことができる。
さらにGemini AIを搭載しており、目的地検索や音楽再生、天気確認など一部の機能を音声で操作できる。タッチ操作だけに頼らず各種機能を呼び出せるため、車載端末との相性が良い機能だ。
Screen AIが特に向いているのは、カーナビやディスプレイオーディオを装備していないクルマだろう。高価なカーナビへ交換したりインパネを大きく加工したりすることなく、11.4インチのタッチディスプレイ、通信ナビ、音楽、動画、CarPlay/Android Autoといった現代的な機能をまとめて追加できる。
Screen AIさらに今回使用した製品には別売でバックカメラも用意されており、取り付け自体も簡単で、配線の取り回しは必要となるがモニター裏の差し込み口に接続するだけでのScreen AIの画面を使った後方確認にも対応する。ナビやエンターテインメント機能だけでなくバックカメラまでまとめて導入できるため、純正装備がシンプルなクルマや古い車両をアップデートする際には特にメリットが大きい。
古いカーナビを装備した車両にも有効だ。既存ナビを丸ごと交換する方法とは異なり、Screen AIを追加すればGoogle Mapsなどインターネットを利用する地図サービスを使える。オンライン接続時には最新の地図情報や渋滞情報を利用でき、従来型カーナビのような地図更新作業や地図更新費用を必要としない点も魅力となる。
なおScreen AIもGoogle MapsやAndroidアプリ、Geminiを利用できるものの、前述したGoogle built-inとは別のシステムだ。Google built-in搭載車のようなスマートな使い勝手の一部を既存車へ後付けできる製品、と考えると分かりやすいだろう。
まとめるとScreen AIは、車載カーナビを購入するよりも低コストで、ナビだけでなくエンターテインメントも楽しめるタッチパネルディスプレイ一体型の端末だ。しかも設置スペースさえ確保できれば幅広い車種に取り付けられ、バックカメラも利用可能。これひとつで通信ナビや動画・音楽再生、CarPlay/Android Auto、後方確認といった機能をクルマに追加できる。
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Screen AIのご購入はこちら!◆OttocastはCarPlayのワイヤレス化だけではない クルマに合わせて機能を選べる
走行中でもスムーズな2画面表示がされるOttocastと聞くと、有線CarPlayやAndroid Autoをワイヤレス化するアダプターというイメージを持つ人も多いだろう。しかし現在のラインアップを見ると、その役割は大きく広がっている。
OTTOAIBOX P3 Proなら既存の純正ディスプレイを活用してAndroidアプリや動画、通信ナビなどの機能を追加できる。OttoSafe CamならCarPlay/Android Autoのワイヤレス化と前後ドライブレコーダーをまとめて導入でき、Screen AIならディスプレイそのものがないクルマにも現代的なインフォテインメント環境を追加できる。
動画コンテンツもスムーズに再生されるので助手席での楽しみも増えるつまり重要なのは「Ottocastで何ができるか」ではなく「自分のクルマに何を追加したいか」から製品を選ぶことだ。既存の純正ディスプレイを生かすのか、ドラレコも同時に導入するのか、それとも古いクルマへ11.4インチのスマートディスプレイを追加するのか。目的に合わせて選べば、車両を買い替えなくても車内のデジタル環境を大きくアップデートできるのがOttocastシリーズの面白さだ。




