2010年に倒産した企業は、赤字企業率が高く、約4割が自己資本比率がマイナスだったことが東京商工リサーチの「2010年倒産企業の財務データ分析調査」で明らかになった。
調査は、2010年の倒産企業のうち3期連続の財務データが入手できた個人企業を含む784社と、生存企業データと比較、分析したもの。
2010年に倒産した企業784社の当期赤字だった企業の割合は、前期比19.5ポイントアップの55.9%と半分以上を占めた。
生存企業の赤字企業率の推移は、前々期の22.2%から前期が30.7%となり、直近では29.2%の水準。これに対して倒産企業の赤字企業率は前々期の27.6%から前期が36.4%、それが55.9%と年々上昇した。悪化に傾いた業績に歯止めがかからない苦境を浮き彫りにしている。
また、倒産した784社の自己資本比率は、平均マイナス5.1%となった。生存企業の自己資本比率が平均37.3%と比べ、倒産企業の低率が際立つ。自己資本比率は企業の基礎体力や安全性を示す指標だが、この比率が低いほど借入金などへの依存度が高く、自己資本比率のマイナスは債務超過に陥った状態を示している。784社のうち、最新の決算で自己資本比率がマイナスだったのは302社で、全体の38.5%を占める。
このほか、784社の有利子負債構成比率は、平均76.5%で、生存企業の平均30.4%と比べて借入金などの過剰債務が経営の大きな負担になっていることを浮き彫りにしている。