【東日本大震災】パンクしない自転車150台…阪神の経験

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提供=堺自転車製造卸協同組合
提供=堺自転車製造卸協同組合 全 2 枚 拡大写真

阪神淡路大震災の経験が生かされてます――。そんな自転車が堺自転車製造卸協同組合(武田正理事長)から仙台市に支援物資として送られた。

「堺市さんからの依頼だったのですが、パンクをしない自転車のことを知らずに、最初は普通の自転車をお探しだったようです」(武田理事長)

堺市は自転車が地場産業だ。春のシーズンを前に新車が、まさに出荷されようとする時だった。要請を受けて300台が用意され、第一陣150台が向かった。

「阪神淡路大震災でも自転車を送ったのですが、被災地には釘やガラスが散乱している。パンクして困ったという話を聞いて作ったのが、パンクしない自転車なんです」(武田氏)

製造したのは組合員の「サイモト自転車」(祭本康博社長)。通常の自転車のタイヤの内側にはチューブの中に空気入っているが、このタイヤのチューブには弾力性のある樹脂が詰まっている。

「空気が減らないから空気入れもいらない。刺さってもパンクしない」(同上)

タイミングの良さに加えて、組合の運送会社の拠点が仙台にあるという偶然が重なった。

150台の在庫は九州にあった。点検のため堺へ届けられ、トラックは茨城県へ。そこで待機していた別のトラックに積み替えられ、仙台へ到着した。ガソリン不足で、1台で往復すると帰路の燃料調達ができない可能性があったからだ。

「大量の自転車は、そのままでは乗れない九分組みの状態で搬送される。それを被災地に送っても、工具がないと誰も使えない。だから、こちらから人も送って、現地で乗れる状態に組み付けて調整するところまでやりました」(武田氏)

同組合は、第二陣としてあと150台を送る用意も進めている。

「自転車は変速機もオートライトも付いたフル装備。ステンレス製で耐久性もあります」と、武田理事長は自転車のPRも忘れなかった。

《中島みなみ》

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