【東日本大震災】ガソリン高騰、便乗値上げではなく「原油価格」要因

自動車 ビジネス 国内マーケット
原油価格の高騰によりレギュラーガソリンの販売価格は全国平均で151.2円と厳しい状況が続く
原油価格の高騰によりレギュラーガソリンの販売価格は全国平均で151.2円と厳しい状況が続く 全 3 枚 拡大写真

東北地方を中心に燃料の供給不足が叫ばれる中、ガソリン価格は高騰の一途をたどっている。石油情報センターの24日の発表によると、レギュラーが全国平均で151.2円、前週比で2.7円の上昇となった。この原因について同センターでは、「原油価格の高騰が大きい。震災の影響もないとは言えないが、先行きの不透明さが価格に反映している」と分析する。

ガソリン価格の高騰について一部では、「燃料不足に便乗した値上げでは」という指摘や混乱も生じている。これに対し同センターでは、「リビア情勢の影響による世界的な原油高騰が末端価格に転嫁されている、というのが現実。東北地方については物流の寸断が要因となっている面もあるが、あくまでベースは原油の高騰」と説明する。

ドバイ原油価格は、一時1バレルあたり111ドルまで高騰、現在は108ドルとなっているが、依然高値水準は続いている。こうした背景と、震災による製油所などの被害が重なったため、一般消費者に「便乗値上げでは」という誤解が生じることとなったようだ。

いっぽうで東北地方のガソリン価格は、レギュラー152.8円と全国平均より1.6円高かった。前週比では4.7円の上昇となった。灯油の店頭価格も18リットル1666円で54円の上昇と厳しい状況が続く。ただしこのデータは青森、秋田、山形を中心としたもので、今回津波の被害が大きかった太平洋岸の宮城、福島については充分な調査が実施できないため反映されていないという。同センターでは、「(宮城、福島を含むことで)高くなることはあっても、安くなることは考えにくい」と分析する。

石油元売り各社は、今回の震災にあたり供給を最優先として仕切り価格を据え置くなど、末端価格を押さえる方向で対応を進めているものの、被災地でも高止まりの状況はしばらく続くものと見られる。

なお、首都圏・関東についてはレギュラー151.6円と全国平均より若干高かった。供給については製油所の機能回復や、西日本からの積極的な転送により、21日以降、出荷量は平年並みに落ち着いている。石油連盟によると、日本全国の石油製品は1か月分の潤沢な在庫がある状態だという。買いだめによる燃料不足が問題となったが、これは燃料不足に対する不安感から需要が一時的に供給を上回ったためで、「買いだめがなければ」首都圏・関東については今週にも正常化に向かう。

《宮崎壮人》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. トヨタ『S-FR』の開発が再始動か?! …令和のヨタハチに注目
  2. 洗車機=傷が付くはもう古い! 最新洗車機の凄さとプラスアルファの洗車法
  3. BMW 4シリーズ グランクーペ が新フェイスに、改良新型を発表…北京モーターショー2024
  4. トヨタがインドで新型SUV『アーバンクルーザー・タイザー』を発表…Aセグメント再参入[詳細写真]
  5. ポルシェ、全6車種中4モデルを更新へ…2024年内に
  6. 夜行高速バス「ドリーム号」、深夜の乗務引継ぎを見学する
  7. 【ヤマハ XSR900GP】開発者が語る「ただの80年代オマージュやレプリカを作ったわけじゃない」
  8. メルセデスAMG『E53』新型、612馬力の電動セダンに…欧州受注開始
  9. AC コブラGTロードスター…過去と現代が織りなすデザイン[詳細画像]
  10. ルノー『5』新型に「ローラン・ギャロス」仕様、全仏オープンテニス2024で発表へ
ランキングをもっと見る