福島原発1号機、雑然とした中央制御室の理由

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東京電力(清水正孝社長)が昨日に続き、福島第一原発の中央制御室の様子を公開した。今回は1号機中央制御室。6号機まである福島原発の中で、建物も出力もいちばん小さい。その室内は雑然としていた。

昨日、公開されたのは3号機と4号機の中央制御室だった。震災後でも、まるで主を待っているかのような整然とした室内だった。しかし、24日13時頃に東電社員によって撮影された1号機の内部は、まるで違っていた。

昨日との違いは、まず天井の照明を柔らかくするスリットが、外れてバラバラに落ちかけていることだ。はめ込み式で簡単に外れるから、未曾有の大地震の中で、この程度は驚くほどではない。

物語は、この雑然とした室内にある。

画面手前に積み上げられた段ボール箱は、中央制御室に手作業で持ち込んだバッテリーだ。計器類などの点検や各種モニターを作動させるための電力は必要不可欠だ。

その右手には、ツールボックスのようなケースがいくつも並べられている。これはセルフエアセット。空気が汚染されるなど万が一のケースに備え、外部に待避するまでの間、新鮮な空気を確保する。

画面左側の奥には毛布のようなものが椅子の上に置いてあるが、これは作業員の防寒着だ。電気の止まった発電所は、暗くて、寒い。

その何もない真っ暗な闇の中にバッテリーを持ち込み、放射線量と戦いながら作業を続けたのだ。彼らにとっては、そうやって再び灯すことのできた中央制御室内の明かりの記念写真だった。

《中島みなみ》

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