AJバイク組合 テントで支援「野菜がほしい」

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提供=全国オートバイ協同組合連合会
提供=全国オートバイ協同組合連合会 全 4 枚 拡大写真

全国オートバイ組合連合会(=AJ・吉田純一会長)が、テント生活を続けながら災害支援を続けている。いまだ支援の手が差し伸べられない孤立した山間の集落に、用意した自分たちの食料も拠出しているという。

AJは、3月28日から宮城県石巻市に入り、4か所で分散して支援を続けているが、第二陣からは、全体の約半数に当たる10人を宮城県雄勝町に集中させた。支援隊事務局で人員調整に当たる髙橋章友課長補佐は、現地の窮状を訴える。

「支援に入った雄勝町の山間部に少人数の集落がある。そうした住民はお年寄りが多く、避難所に入らず、自宅で過ごしていることが多い。自衛隊の手もまだ入っていない」

既報ではAJはパンク修理に忙殺されていると伝えたが、雄勝町の山間地のように乗用車も入れないような場所では、AJのオートバイが連絡係と物資輸送で活躍している。

「とても一般のボランティアでは乗れないような難所ばかり。今回のボランティアはモトクロスレース出場者やラリー経験者が多いため、こうした被災地域でもその点は安心している」

AJのボランティアは、カップラーメンやパンなどの非常食や薬品を配りながら住民の安否を確認しているが、住民には共通したリクエストがあるという。

「多くの人はカップラーメンやパンなどより調味料や野菜を希望している。お年寄りには自分たちの慣れ親しんだ味があり、被災から毎日非常食で疲れ切っている」

そのため自分たちが食べるために持ち込んだ食料を、被災地の人々に分けている状態だという。

「連合会で持ち込んだドレッシングや野菜をオートバイで運んでいます」

堤防の決壊で浸水した海水は、そのまま平野部に残っている。もともとの生活場所だったところは、役場の庁舎さえ流された。一度被災した地域は安全とは言えないため、雄勝町に滞在するボランティアは、山間部にテントを張って野営している。

「普通に鹿や猪などの動物が顔を見せる場所で、寝袋に入ってテントで暮らす生活です」

AJの災害支援は、バイクショップを経営する傍らでボランティアに参加しているため、4月6日で一応の区切りを付ける。地元からは引き続き動員の要請があり、一部有志に切り替えて対応することが決まっている。

《中島みなみ》

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