海洋投棄された汚染水の濃度

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東京電力が福島第一原子力発電所の施設内から海洋投棄を決めた1万1500tの放射性廃液は、5日現在もポンプによるくみ上げ投棄が続いている。

東電は、この投棄により空いた空間に、2号機タービン建屋内にたまる「比較できないほど高レベル」に汚染されている水を収容する予定だという。

東電のいう「低レベル」の汚染水とはどのようなものか。広報担当者は「法律で定められている濃度限度の100倍」という。

投棄された汚染水の主な核種濃度は、以下のように公表された。

集中廃棄処理施設内1万トンの汚染水
▼ヨウ素131 6.3ベクレル
▼セシウム134 4.4ベクレル
▼セシウム137 4.4ベクレル

5号機側サブドレンピット内1500トンの汚染水の一部
▼ヨウ素131 1.6ベクレル
▼セシウム134 0.25ベクレル
▼セシウム137 0.27ベクレル

6号機側サブドレンピット内1500トンの汚染水の一部
▼ヨウ素131 20ベクレル
▼セシウム134 4.7ベクレル
▼セシウム137 4.9ベクレル

※いずれも1立方センチあたり

問題の2号機タービン建屋内にたまる放射性物質に汚染された水は、ヨウ素131だけでも1000万ベクレル/1立方センチ。先月26日には測定作業中に線量計の針が振り切れたため、測定員が測定を中止して退避したほどだ。

これと比較すれば確かに低濃度ではあるが、海洋投棄が発表されたのは、余りにも唐突。十分な議論を尽くされた様子はない。

海洋投棄は、原子炉等規制法64条の「危険時の措置」として行われた。東電が原子力安全・保安院に汚染水の海洋投棄を希望したのが4日15時。海江田経産相から投棄の許可が下りるまでに、わずか20分しか経過していない。

東電は、5号機か6号機の復水器エリアで、「鉛筆1本分の太さ、毎分2リットルほど」の水が流れ込んでいるのを確認し、ほかにも流入していると推測。現状では正常に動作している電源施設が水没して機能が停止するのを恐れ、放出を急いだという。

《中島みなみ》

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