GARMIN ForeAthlete110 インプレ 前編…ビギナーでも使いこなせるGPSウォッチ

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ForeAthlete110
ForeAthlete110 全 12 枚 拡大写真

運動を妨げないサイズと機能

「美ジョガー」(ファッション性の高いウェアで走るスタイリッシュな女性)なる新語まで生み出した昨今のジョギングブーム。この春から新生活のスタートとともに、ジョギングを始めてみようという人も多いかもしれない。

かつては、マラソンをするなら必要なのはまず“忍耐力”、それに“地道な努力”というのが相場だった。しかし、今ではジョガーの必須アイテムといえば、高機能かつファッショナブルなウエア、衝撃から膝を守るハイテクシューズ。そして、最新のデジタルデバイスを詰め込んだランニングウォッチだ。

ランニングウォッチはストップウォッチや心拍計など、運動をモニターするための機能を搭載した腕時計型のデバイスの総称。自分の走りをモニターすることでモチベーションアップに繋がるだけでなく、過度な運動を避けて安全を確保するためにも必須だ。ウエアやシューズと比較して安いものではないが、初心者であってもここで妥協しないほうがいい。ペース配分や自分の限界がわからない初心者にこそ必要なものだからだ。

最近では携帯電話やスマートフォン向けのアクセサリーにもジョガー向けのワークアウト管理ツールが出てきているが、ここで紹介する『ForeAthlete(フォア アスリート)110』は、一般的なランニングウォッチにGPS機能をプラスしたモデル。GPSを活用したデジタルデバイスの専門メーカーであるGARMINの製品で、走った距離やコース、ペースなどを非常に正確に測定してくれるのがGPS搭載モデルならではの特徴だ。

GARMINのGPS付ランニングウォッチは4機種のラインナップがあり、ForeAthlete110はそのボトムエンドを受け持つエントリーモデルとなる。当然、機能はそれなりに絞り込まれているが、それゆえにラインナップ中で最軽量というメリットがある。その重さはわずか52グラムだ。

ジョギングはもちろん、もっと激しい短距離のランニングや、そのほかのあらゆる運動で邪魔にならない軽さとコンパクトさは、ForeAthlete110の大きな魅力。おおげさな機械を使ってるという気恥ずかしさもなく、他人からはごく普通の腕時計にしか見えない。これを重要なポイントと感じる人は多いだろう。

◆数々のデータを自動計測

ForeAthlete110を使って何がどう便利になるかというと、まず走行ペースがリアルタイムに分かる。これは特に初心者にはありがたい。

いつでも一緒に走ってくれる上級者の知り合いでもいれば別だが、一人で走ることが圧倒的に多い一般のジョガーは、自分でペースを作ることが難しい。とくに初心者は気づかないうちに無謀なハイペースになって短い距離でダウン、自信喪失となってしまうことが多い。

ForeAthlete110を腕につけていれば、ほんの10メートル走るだけで、ペースがリアルタイムに表示される。体力や走る目的にもよるが、初心者なら1km7〜8分くらいになるように走るのが無難だろう。走りながらペースを確認することで、目標とするペースを体に覚えさせることができる。

ペースと並んで有用なデータが、走行した距離だ。競技として決められたコースやトラックを走っている人ならコースの距離は事前に分かっているのがあたりまえだが、近所の公道や公園を走るジョガーはそうではない。正確な走行距離を把握するのは、非常に難しいだろう。

GPS付きのForeAthlete110は走行距離もまた、ただ走るだけでリアルタイムに表示される。設定した距離ごとにラップを計測する、周回路を走ったときに1周ごとのラップを計測するといったこともできる。初めて走ったコースでもすぐに距離がわかるのはとても便利だ。

ちなみに、GPSを搭載していなくて同様のことができるランニングウォッチもあるが、そういった製品は靴に取り付けたセンサーで加速度を測定して距離を算出するようになっている。そのため、最初にキャリブレーションという設定作業が必要となるのだが、これが非常に面倒だ。

GPSを搭載するForeAthlete110はキャリブレーションなど不要で、しかも精度が非常に高い。反面、最初に現在地を測定するまで少し待たされたり、トンネルや高架下ではGPSが使えないことがあり、この面では加速度方式にアドバンテージがある。つまり一長一短だ。

ただし、走行距離だけでなく現在位置までわかるのはGPSだけのメリット。パソコンの地図上に自分の走ったコースを表示する、などということは加速度方式には絶対にできない芸当だ。

◆心拍をモニタして最適な運動を

ForeAthlete110は心拍数のモニターも可能だ。そのために必要なハートレートセンサーがオプションになっているので、順序として先にペースや走行距離を紹介したが、実は心拍数こそ、ジョギングやその他の運動をするときにもっとも重要なデータといえる。

そもそも、ハートレートセンサーがオプションとなっているのは、もちろん価格を抑える意味もあるだろうが、それだけではない。ForeAthlete110はANT+規格というランニングウォッチの共通規格に対応しているので、他社製のハートレートセンサーでも流用できる。

つまり、すでにハートレートセンサーを持っている人が重複購入しなくて済む配慮の意味もあるのであって、ハートレートセンサー無しでの使用が基本というわけではない。ハートレートセンサーを持っていない人は、ForeAthlete110を購入するならぜひ同時購入するべきだ。

なぜそれほどまでに心拍数が大切かというと、これが運動量を測る直接的なデータになるからだ。たとえばダイエットのためにジョギングをするなら遅めのペースがいいと言われるが、痩せるための運動をしたいなら、本質的に重要なのは心拍数を上げすぎないこと。そのためにはペースは必然的に遅くなるという話であって、重要なのはあくまで心拍数なのだ。

ハートレートセンサーを装着すると、ForeAthlete110のディスプレイの中央に一番大きな文字で、心拍数が表示される。走行中は常にこれをチェックし、最大でも「220-年齢」(30歳なら190)を超えないようにする。これは過度な運動による事故を防止するためだ。

さらに、上記の心拍数上限の8割を超えないようにすると、有酸素運動となり脂肪を燃焼しやすくなる。ダイエット目的のジョギングならこれを超えないようにすることが重要だ。その結果としてペースがどんなに遅くなっても気にする必要はない。ダイエット目的なら重要なのはペースではなく心拍数であり、同様に走った距離は重要ではなく、走った時間が重要になる。

《山田正昭》

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