原子炉建屋の調査に軍用ロボット活用

自動車 ビジネス 企業動向
パックボット(米国アイロボット社製)
パックボット(米国アイロボット社製) 全 6 枚 拡大写真

アメリカのアイロボット(iRobot)社製軍用ロボット『510パックボット』(510 Packbot)」2台が17日、福島第一原発の放射線量調査で活用された。日本では自動掃除機『ルンバ』を販売するあの会社の多目的作業用ロボットだ。

アイロボット社はロボット研究者であるロドニー・ブルックスとコリン・アングル(CEO)とヘレン・グレイナーの3人のよって創設された。パックボットは米国防省国防高等研究計画庁(DARPA)の資金供与により開発され、紛争地域の爆弾処理や偵察に使われている。

福島第一原発の復旧作業に使われるのは、アイロボット社が東京電力に無償提供した2台で、同社はほかにも運搬用ロボット『710ウォリアー』(710 WARRIOR)」2台も寄付した。

東電は、このパックボットを使って、放射線漏れにより人が立ち入いることのできなくなった原子炉建屋の中に入り、データを収拾する。水素爆発以来、漆黒の闇となった原子炉建屋内での作業の可能性を探る。

パックボットの大きさは長さ70×幅53cm。無限軌道の台車は約60度の登坂能力がある。アームを格納した状態で高さは18cmだが、最大に延ばしきると180cmの高さになる。

アームには複数のカメラとセンサーが取り付けられている。モニタリングするのは、1号機と3号機の原子炉建屋内の放射線量、温度、湿度、酸素濃度の4種類。

17日の作業では、このパックボットを福島第一の1号機と3号機の原子炉建屋の中に入れる。

2台一組で作業を行い、1台のパックボットはカメラ4台、もう1台は5台のカメラが搭載され、1台は実作業、もう1台は作業を監視する撮影用に使う。

操作は有線と無線の両方で可能。800m離れた場所から遠隔操作できるが、原子炉建屋内は無線が通りにくいため、原子炉建屋とタービン建屋を仕切る二重扉から操縦する。

今回は水のない場所での測定作業となるが、台車は防水機能があるため、有線に切り替えると水深3mでの作業可能で、測定作業以外の活用も期待される。

《中島みなみ》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ホンダ N-BOX など7車種1万2653台リコール…過去の改善措置が不適切
  2. アルファロメオの新型SUV『ジュニア』日本発売に、「420万円はリーズナブル」「マジで美しい」など反響続々
  3. 外装も内装も「どピンク」な超高級SUV、ベントレー特注部門のスゴ技とは
  4. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  5. ジープ『チェロキー』新型、新写真からリアデザインが判明
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
  5. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
ランキングをもっと見る