逃走の窃盗容疑者、避難所ボランティアとして活動していた

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仙台市内(2011年3月30日)
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今年2月に宮城県石巻市内で軽乗用車を盗んだ容疑で逮捕され、後に窃盗などの罪で起訴された24歳の男に対する初公判が19日、仙台地裁で開かれた。男は震災の影響で釈放されたが、居所とした親類宅に帰ることはなく逃走。宮城県内の避難所で生活していた。

この男は2011年2月26日の午後9時10分ごろ、石巻市内で軽乗用車1台を盗難。これを無免許で運転したとして、後に宮城県警・石巻署が窃盗や道路交通違反容疑で逮捕した。

ところが3月11日の東日本大震災発生により、同署は電気や水道などのライフラインが絶たれた状態となり、拘留している容疑者の安全確保が難しくなってしまった。男の親類宅は東松島市内にあったが、被災は免れていたことから、同署はここへ留まることを条件として同13日に釈放する措置を取った。

しかし、男は親類宅に戻ることなく姿を消したことが確認されたため、仙台地検は「逃走した」と判断。その行方を追っていたところ、4月12日に宮城県内の被災地にある避難所で男を発見。窃盗などの容疑で再逮捕し、起訴していた。

19日に仙台地裁で開かれた初公判で、男は起訴事実を認めた。親類宅に戻らなかった理由として、家出を主目的としてクルマを盗んだことや、「釈放後、避難所でボランティアとして活動しており、被災者から必要されていた。みんなから必要とされているので離れたなくなかった」などと陳述。弁護側も「避難所ではリーダー的な世話役として活動しており、被災者からの信頼も厚かった」として情状酌量を求めた。

検察側は裁判所に対し、懲役1年6か月の実刑を求めている。

《石田真一》

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