東北方面高速道路無料化の道筋が見えてきた。27日の閣議後会見で玄葉光一郎国家戦略担当相(民主党政調会長)は、ポイントは大きく分けて3つあると話した。
その3つのポイントとは、
・被災者を対象とした高速料金無料化
・バス、トラックを対象とした被災地(東北地方)の高速道路無料化
・乗用車を含めた被災地(東北地方)の無料化
これらについて「時系列もあるが、最終的に党内で調整をしている」と、玄葉氏はいう。
今回の高速道路の無料化は、これまでの無料化社会実験と違い、東日本大震災の被災地復興が目的だ。
避難先に仮住まいする住民をはじめとし、被災者にとって移動負担が軽減されることは、とても重要だ。道路というより、被災者を対象とした無料化が最優先課題として急がれている。
民主党関係者によると、被災者を対象とした無料化は「ETCを活用するという無料化ではなく、罹災(りさい)証明を料金所の窓口で提示し、料金を無料化にする」という簡単な方法が検討されているという。
この場合は、避難先が全国にあることを考え、その区間を東北地方だけに限定しない可能性が高い。
また、被災者の次に検討対象となっているのは、公共性の高いバスや物流を担うトラックなどだ。
復興を加速するために、被災地の外から観光客などを呼び込む場合は、乗用車など一般を対象とした無料化が必要だが、これが東北方面高速道路無料化の最後の検討課題となる。
この3つを一気に無料化してしまうのか。それとも段階的に広げていくのか。こうした調整も、現状で続けられている。
さらに、別の民主党関係者は、東北方面無料化の実施時期について、こう話す。
「6月中旬に上限料金制がなくなり、何もしなければ特に被災地では負担が重くなる。その時には何らかの話ができるようになるのではないか」
被災者の負担軽減という方向性は、政府与党で一致している。また、高速道路の無料化を被災地復興に役立てるべきだという主張は、自民党の中や公明党にもある。
大畠国土交通大臣も「いずれにしても、行うのであれば早く行うことが必要」と、語っている。被災地復興のための高速道路無料化実現の足取りは、案外早いのかもしれない。