気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2011年6月7日付
●円一時79円97銭、ロンドン(読売・2面)
●ワゴンR 2年ぶり首位、5月新車販売(読売・10面)
●バス86台、タクシー132台、被災地に車両提供(読売・30面)
●月内退陣論が加速、菅政権内復興基本法成立へ(朝日・1面)
●2022年脱原発ドイツ決定(朝日・1面)
●リーフ変身EVレースだ、日産、来年にも(朝日・9面)
●急速充電車でEV救援、日産とJAF実証運用、神奈川・東京できょうから開始(毎日・8面)
●輸入車販売が増加、19か月連続、マーチなど好調(東京・7面)
●東芝・ソニー液晶統合、携帯向け中小型、世界首位争い(日経・1面)
●プリウスワゴン、トヨタ7割増産、月5000台に、納車短縮目指す(日経・9面)
●トヨタ系、車載電池工場が復旧、東北の主要工場操業再開(日経・9面)
●インド工場スト、累計2000台に影響、スズキ(日経・9面)
●後藤新平が描いた復興、車社会予見し環状道路(日経・29面)
ひとくちコメント
5月の車名別新車販売ランキングで、スズキの軽自動車『ワゴンR』が2年ぶりに首位に返り咲いた。ダイハツの『ムーヴ』も2位で、ベスト10内に軽が6車種もランクインするという躍進ぶりだ。日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(全軽協)が集計したもので、6日付の夕刊に続き、きょうも毎日、産経、日経などが取り上げている。
4〜5月の国内メーカーの車両生産が通常の6割減という異常事態の中で、スズキのワゴンRが再び首位に返り咲いたのは、被災地を中心に軽自動車への需要が高まっているのに加え、スズキの取引先の部品メーカーがお膝元の東海地区に集積し、他社と比べて大震災の影響が軽微だったことが大きい。
生産拠点の立地の運、不運も大きく左右していることも事実だが、スズキは危機を乗り越えるために「知恵を出し、汗を流して、難局を乗り切ろう」、「大転換期を乗り越えるため、全てをやり直そう」をスローガンに掲げて、全社一丸となって取り組んでいることも見逃せない。
5月末の時点で自動車各社は、一部のマスコミ報道を含めて生産の正常化の見通しを明らかにしているが、スズキは「6月以降の見通しはわからない」(鈴木修会長兼社長)と明言を避けている。瞬間風速とはいえ、4月の国内生産台数でもスズキがトヨタを抜いてトップになった。大震災という非常時でもしたたかな、“スズキパワー”は相変わらず健在のようだ。