気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。
2011年6月16日付
●車保険、国の支援要請へ、損保業界「地震保険の対象に」(読売・10面)
●日産、新型ミニバン発売、マツダからOEM受け(読売・10面)
●ガソリン、7週連続下落(毎日・7面)
●首相、内閣改造の意向、来週にも早期退陣論封じ(産経・1面)
●マツダ「アクセラ」40万台リコール(産経・25面)
●高齢者事故10年で急増、歩道4人はねられ死傷、江戸川、81歳「誤りアクセル」(東京・27面)
●日産・ルノー、世界3位に、ロシア車大手買収、新興国でM&A競争(日経・1面)
●クラリオン、パイオニアなど、カーナビ、品不足解消急ぐ(日経・9面)
●小型トラック全面改良、日野自、燃費性能高める(日経・11面)
●「こち亀」キャラバスに登場、京成系(日経・35面)
ひとくちコメント
日産自動車・仏ルノー連合が、ロシアの自動車最大手アフトワズを共同買収する方向で最終調整に入ったと、きょうの日経が1面トップで報じている。それによると、すでにアフトワズに25%強資本参加するルノーに加え、日産が新たに25%前後を出資し両社合計で発行済み株式の50%超を取得するという。
日産の株式取得額は最大10億ドル(約800億円)近くになる見通しで、日産・ルノー連合はアフトワズの販売台数で約52万台を加えると、720万台を超えて独フォルクスワーゲンを抜いて、トヨタ自動車、米ゼネラルモーターズに次ぐ、世界3位に浮上する模様。
自動車の世界再編の歴史を振り返れば、1990年代後半には、欧米を中心に“400万台クラブ”という言葉が流行し、離縁はしたものの独ダイムラーと米クライスラーが経営統合、日産自動車が仏ルノー傘下入りといった大型再編が次々に飛び出した。
その後は、従来の再編とは少し様相が異なり、単純な生産台数という規模ではなく、競争力のある車や環境対応など先進的な技術をどれだけ多く開発し、どれだけ素早く、しかも数多く市場に投入できるかという自動車メーカーの力を増すという点を軸に展開されている。
ただ、大震災後は、部品の共通化などにみられるように再びスケールメリットを追求する動きが活発化している。しかも、“400万台クラブ”どころか、規模は700万~800万台まで引き上げられており、日産・ルノーがロシアのアフトワズを傘下に収めるように、今後は新興国を軸に地場メーカーとの提携・再編が生き残るためのカギを握るとみられている。