EVはガソリン車と比べると構造が簡単で、素人でも既存のガソリン車をEVに改造した例もある。しかし、この山形の高校生たちの作品には、誰もが驚くのではないだろうか。(次世代自動車産業展2011。15~17日)
『ME-III』は、3年の歳月をかけて、山形県立米沢工業高等学校の生徒たちが手作りした原付四輪ミニカー。全長2450mm、全幅1150mmのコンパクトなボディはデザインもFRPによる製作も、生徒たちの手によるものだ。
モーターやバッテリー、コントローラなどは市販品だが、車体は鋼管スペースフレームや足回り、さらにはトランスミッションやデフまで生徒たちが工作機械を駆使して作り上げたのだ。ミッションやデフの歯車の焼き入れまでは出来なかったそうだが、試作車としての完成度は十分。
性能は、600Wのモーターを搭載し、最高速度は50km/h、航続距離は50kmとまずまず。細部を見ても、原付ミニカーとしては十分なクオリティと凝ったメカニズムが凝縮されているのが分かった。
東北地方に根付くものづくりの原動力は、彼らのような人材がしっかりと受け継いでくれそうだ。