【新聞ウォッチ】トヨタの願い「交通死傷者ゼロ」 新車1600台を衝突破壊

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2011 トヨタ安全技術取材会。ADB(アダプティブ ドライビング ビーム)
2011 トヨタ安全技術取材会。ADB(アダプティブ ドライビング ビーム) 全 7 枚 拡大写真

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年7月22日付

●衝突察知ハンドル自動操作、トヨタ開発(読売・8面)

●新メキシコ工場、欧米へ輸出の構想、マツダ社長「関税ゼロ利用」(朝日・9面)

●新社長:富士重工業・吉永泰之氏「世界100万台へ中国進出」(朝日・9面)

●ガソリン価格3週ぶり上昇(毎日・8面)

●経団連フォーラム政権不信あらわに(産経・11面)

●石川遼選手を書類送検(産経・25面)

●6月の貿易黒字、自動車輸出けん引、海外景気減速、先行きは不透明(東京・7面)

●トヨタ、世界生産上積み、今年度計画30万台増、供給網回復770万台に(日経・1面)

●三菱ふそうトラック・バス、2年半ぶり昼夜生産に(日経・13面)

●乗用車・小型トラック用タイヤ、ブリヂストン、北米生産(日経・13面)

ひとくちコメント

トヨタ自動車が東富士研究所(静岡県裾野市)で、歩行者や周辺車両などを認識し、ブレーキやハンドルを自動制御して事故を回避する新システムなどを一部の報道陣に公開した。トヨタが安全技術開発を加速させる背景にはモビリティ社会の究極の願いとして「交通死傷者ゼロ」に貢献するという企業理念を掲げていることがある。

きょうの読売、毎日、日経が取り上げているが、この日公開された新技術は「衝突回避支援プリクラッシュセーフティシステム」や「ハイビームの配光を可変するヘッドランプ」など開発中の安全技術がズラリ。

安全技術のデータ解析に伴う実証試験のスケールも桁違いだ。例えば、車両同士の衝突試験では、日米3か所の研究施設で年間1600台以上の新車が使用される。ピカピカの新車がわずか数秒でメチャクチャに壊れる場面を見学した人からは「もったいない」との声も上がるそうだが、「実走行での衝突試験は貴重なデータになる」(安全技術担当者)と割り切る。

また、限りなく人間に近いダミーモデルは約200検体を数える。骨格や脳に加え、新たに内蔵障害の解析も可能な高機能のダミーなども“仲間入り”したという。ちなみに、ダミー1体は平均価格は約1200万円、高機能のダミーは2億円もする。コスト削減の嵐が吹き荒れているが、生命を守る安全技術だけは勘定が別のようだ。

《福田俊之》

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