ひき逃げで無罪だった女、控訴審では実刑判決

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2009年に滋賀県草津市内で2人が死傷するひき逃げ事故を起こしたとして、道路交通法違反罪に問われた32歳の女に対する控訴審判決公判が19日、大阪高裁で開かれた。裁判所は一審の無罪判決を破棄。懲役6か月を命じている。

問題の事故は2009年11月6日夕方に発生している。草津市矢橋町付近の市道で、道路左側の路肩を歩いていた高齢の男女に対し、後ろから進行してきた軽乗用車が衝突。69歳の男性が頭部強打でまもなく死亡し、63歳(当時)の女性が腰骨などを折る重傷を負ったが、クルマはそのまま逃走した。

警察は後にひき逃げ容疑で女を逮捕したが、女は「カーステレオを捜査していて人に当たったという認識が無い」と強固に主張を続けたため、検察は自動車運転過失致死傷罪で起訴。道交法違反(ひき逃げ)容疑については嫌疑不十分で不起訴としていた。

遺族は「ひき逃げでの不起訴は不当だ」として検察審査会に申し立てを行い、これが認められて検察が再捜査を進めた結果、「ひき逃げが構成される」と判断。自動車運転過失致傷での公判と並行し、道交法違反の罪でも公判が行われるという異例の展開となった。

自動車運転過失致死傷については最高裁まで争われた結果、禁錮2年の実刑が確定したが、ひき逃げについては大津地裁が「現場にブレーキ痕は無く、被告が被害者を認識していたとは言えない」として無罪としていた。

19日に開かれた控訴審判決公判で、大阪高裁の上垣猛裁判長は「2回の衝突でクルマは前のめりになり、フロントガラスも破損した」と指摘。「こうした状況から、被告も何か大きなものに衝突したことは理解していた」と認定した。

その上で裁判長は「未必的とはいえ、人をはねた後に逃走したことは悪質」として、一審の大津地裁判決を破棄。被告に対して懲役6か月の実刑判決を言い渡している。

《石田真一》

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