夏休みの子どもとの接し方

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小川大介氏
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 中学受験に特化し、生徒一人ひとりに合わせたオーダーメイドの授業で難関校に合格者を多数送り出してきた個別指導のSS-1。代表の小川大介氏は、著書『「小川式「声かけ」メソッド』で、親から子への「声かけ」の内容を少し工夫するだけで子どもの学力をぐんぐん伸ばす独自のメソッドを紹介している。子どもがやる気を出すために、どのような声かけをすればいいのか。小川大介氏に、そのコツを聞いた。

 子どものタイプ編、テスト編、夏休み編の3回で紹介する。

--夏休みは親子で過ごす時間が長くなりますが、子どもとの接し方で注意することはありますか?

 結論から言うと、お子さんとずっと一緒にいる必要はありません。お子さんとずっと一緒にいることで悩むお母さんには2つのタイプがあります。

(1)子どもが伸びるかどうかは親の責任だと強く思っている人
(2)子どもに対して親の気持ちや感情をそのまま言ってはいけないというブレーキを持っている人

 お子さんに中学受験をさせようというお母さんがたは、大変意識も高く、スーパーウーマンであろうとして余裕をなくしていることが多いのです。

 一方、お子さんは、親は無尽蔵に愛情をくれるものだと思っている。

 そこで、お母さんはがんばりすぎてしまうのです。

 お母さんだって、一人でものを考えたり、本を読んだりする時間がなければ家族のためにがんばれません。だから、「いいママでいるために5時まではママの時間をちょうだい。5時になったらママパワーが充電するからそれまで待って」と言えばいいのです。

 自分が無理なくできることと、できないことを見極めて、ここだけはがんばるという時間を決めることが大事です。

--子どもにはどのように夏休みを過ごさせればいいでしょうか?

 まず、夏休みの計画を立てさせます。このときに、学年を問わず、40日の休みを4つか5つのタームに分けて考えるといいです。8月29日に宿題をやる子は、40日間を通しで見ているから終わらないのです。

 タームごとにそれまでのタームを振り返り、楽しかったことは? 勉強が予定どおりうまくいったことは? うまくいかなかったことは? じゃあ次のタームはどう過ごすか? など、家族で、情報交換をまじえて振り返ってください。

 また、夏休みの初めは計画どおり過ごせる子も、だんだんとだれて、ぼーっと過ごすようになります。そういうお子さんには、一日の中で、「頑張る2時間」を決めてあげてください。この時間をしっかり頑張れば、あとは自由にしていいよとコアタイムを決めるのです。そして、「どれだけできた?」と確認し、できたことは「すごいね!」とほめてあげる。このようにメリハリをつけることで、リズムをとり戻せます。
 
--節電の影響もありますし、夏バテも心配です。
 
 お子さんがバテている場合、対処法は次の2つです。

(1)睡眠と栄養を十分にとる
(2)目一杯遊ぶことで復活させる

 意外かもしれませんが、勉強を頑張っていて、体力もあるのに調子が悪いときは、遊び足りないことが原因ということがあります。その場合は、(1)では逆効果。目一杯身体を使って遊ばせることです。自分が遊び足りないことに気づいていないお子さんもいるので、そういう場合は親が連れ出してあげるといいでしょう。

 心が弱っている場合もあります。夏休みが天王山とさんざん言われて、たくさんのことをやっているわりに手ごたえがない。受験までに間に合わないのではと不安になる。それで、お盆あたりから、お腹が痛いと訴える子が多くなるのです。

 その場合は、「これだけがんばってきたし、テストでもこれだけできているから、ここを復習するだけで大丈夫だよ」と、ここまでやってきたことを振り返らせてあげるといいでしょう。

--宿題に関して、何か注意することはありますか?

 「宿題は?」と聞くと、「終わったよ」と嘘をつく子がいます。この場合、頭ごなしに「嘘をつくな」と言わないであげてください。お子さんは、そのくらい追い込まれているのです。叱る前にひと言「辛いのか」と聴いてあげる。「何があったの?」でもいい。お子さんの言うことをよく聴いてあげて、大人としてきちんと向き合い、親としてお子さんのことをどう思っているのかを、本気で話すことが大切です。

 夏休みによく起きる出来事なので、ぜひ注意してあげてください。

子どものやる気を引き出す“声かけ”3/3…夏休み編

《石井 栄子》

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