【シトロエン C4 試乗】しなやか・しっとりのセダクションがお勧め…森野恭行

試乗記 輸入車
シトロエン C4
シトロエン C4 全 12 枚 拡大写真

スタイルは「ややコンサバかな?」という印象の新しい『C4』。だが、5ドアクーペ風クロスオーバーの『DS4』を兄弟に持つことを考えると、落としどころは大いに納得できる。居住空間やラゲッジを拡大した新型は、「快適で、使えるCセグ・ハッチバック」を求める多くのユーザーを惹きつけるはずだ。

そこで大きな武器になるのは、「これぞシトロエン!」と思わず頬が緩むやさしい乗り心地。気に入ったのは、自然吸気1.6L+4速ATに、16インチタイヤを組み合わせたセダクションで、「しなやか」「しっとり」「ナチュラル」という表現がはまる快適かつ上質な乗り味を実現している。しかも、高速安定性やハンドリングとのバランス点も高いのだから、シャシーの出来は秀逸だ。

対して、1.6L直噴ツインスクロールターボ+6速EGSに、17インチタイヤを組み合わせたエクスクルーシブは、ちょっと煮詰めが甘い気がする。動力性能は「さすがターボ」と評価できるが、シングルクラッチ式AMTのEGSは、発進とシフトアップ時のギクシャク感が未だ気になるのだ。また、少しゴツつくタイヤのあたりや、荒れた路面で顔を出すステアリングキックバックも引っかかる点で、シャシーの荒さも消し切れていない。

ということで、新型C4のお薦めはセダクションで決まり。いまだ4速のATは、ときにギヤの狭間にはまって加速が鈍ったり、意図せぬキックダウンを甘受しなければならない場面もあるが、トータルとしての完成度や魅力は高い。ひとクラス上のリラックス感と上質さを身につけた新型C4は、クルマに癒しと個性を求める人に、ぜひ注目してほしいニューカマーだ。ちなみに、5つ星評価はセダクションのものとなる。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

森野恭行|カーレポーター
生来のクルマ好きで、スモールカーから高級サルーン、高性能スポーツカー、はたまた2〜3t積みトラックまで、機会があればどんなクルマでもとことん試乗。出会ったクルマの個性や魅力、そして開発者が担当モデルにこめた情熱などを、新車紹介や試乗インプレッションなどを通して読者にわかりやすく伝えることを心がけている。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。1963年生まれ。

《森野恭行》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 日産、第3世代e-POWER向けエンジンに世界初技術…コールドスプレー工法バルブシート採用
  2. 「本当に世に出るとは」わずか1トンの車体に800馬力V12を搭載、「超アナログ」なスーパーカーにSNS沸く
  3. スバル『アウトバック』新型、約515万円から…年内米国発売へ
  4. あさひ、通勤向け電動アシスト自転車「OFFICEPRESS-e」モデルチェンジ…安全性と整備性を向上
  5. ジープ初の1.6リットルターボハイブリッド搭載、SUV『チェロキー』新型が四角い新デザインで登場
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る