【Fニッポン 第4戦】王者オリベイラ、トムスの連勝を止め今季初V

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勝ったオリベイラ(右)と祝福する星野一義監督(中央)。星野監督に呼ばれて、かつての自軍エース・本山哲(左)も飛び入りで肩を組む
勝ったオリベイラ(右)と祝福する星野一義監督(中央)。星野監督に呼ばれて、かつての自軍エース・本山哲(左)も飛び入りで肩を組む 全 12 枚 拡大写真

日本最高峰のフォーミュラレース「全日本選手権フォーミュラ・ニッポン」の第4戦決勝が、8月7日、栃木県のツインリンクもてぎで開催され、前年王者ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(インパル・トヨタ)が今季初優勝を達成した。

3月の震災により大きな影響を受けたツインリンクもてぎでの、今年最初の4輪ビッグレース。前日の予選をポールポジション確実な雰囲気で戦っていたのは、今季ここまで出走機会2戦2勝のアンドレ・ロッテラー(トムス・トヨタ)だったが、彼には最後のQ3セッションで小さな落とし穴が待っていた。

雨の可能性が出てきたため、Q3進出の8台が皆コースインを急ぐなか、ロッテラーは図らずも他車と競り合うような状況となってしまい、タイムアタック前のタイヤのウォームアップにわずかながら支障が生じたようなのだ。誰かが絶好調モードにあっても、些細な隙があれば、ライバルはそこを見逃さずに突いてくる。これこそがFニッポンというハイレベルなステージの特徴であり、それを実践してみせたのが王者オリベイラ。ここで持ち前の勝負強さを発揮してロッテラーを逆転し、2戦連続のポール獲得を決めた。

決勝レースは約250km(ロードコース52周)の距離で「タイヤ4輪交換2回義務づけ、給油は自由」というルールでの戦い。

予選でニュータイヤを1セットずつ温存できたオリベイラとロッテラーが前日に引き続きトップを争うことが予想され、レースはまさしくその通りの展開に。両者はスピードもほぼ互角なら、戦略も基本的に一緒。ニュータイヤの使いどころまで重なるくらいで(ともに1回目のピットインで装着)、こうなると予選での勝敗がそのままレースの勝敗に直結することとなる。

オリベイラ自身が「とてもタフな、ミスのまったく許されない状況だった」と形容した厳しい戦いを、彼は見事に逃げ勝ったのだ(最終決着差は1秒960)。

「こういう厳しい内容のレースだっただけに、勝てて満足しているよ」と語るオリベイラ。チームにとっても、厳しい戦いだった。2度のピット作業は、いずれもロッテラーの直後の周回。喩えるなら、サッカーのPK戦で相手が成功した後に蹴る後攻選手のようなプレッシャーがかかるなか、まずまず無難にオリベイラをコースに戻し、彼の勝利に貢献した。星野一義監督率いる常勝集団インパルにとっても、これがようやくの今季初勝利。トムスの開幕からの連勝を3でストップさせた。

敗れたロッテラーは、「互いに限界まで攻め続けた戦いだった」とオリベイラを祝福。3位にはロッテラーの同僚・中嶋一貴が入り、これで4戦連続の表彰台獲得。ポイント的にはロッテラーと一貴が28点で並び、オリベイラが3点差で追う形勢となった。「貯金(リード)がなくなりました。ここから(残り3戦)が本当の勝負だと思います。今回は正直、上位2台が異次元の速さだった。次から、なんとかしないといけませんね」と一貴。彼の次戦以降の巻き返しにも注目が集まる。

今回のレースには、昨年までの3シーズン、米国インディカー・シリーズにフル参戦していた武藤英紀(今季はGT500に参戦中)がリアル・ホンダからスポット参戦。自身5年ぶりのFニッポン参戦で、現行マシンでは初レースとなった武藤は、予選で17台中15位と出遅れた。急遽の参戦とあっては仕方のないところだが、決勝では10位までポジションを上げてチェッカーを受けている。

次戦は今季2度目となる鈴鹿ラウンド(9月3〜4日)。ロッテラー、中嶋一貴、オリベイラのタイトル争いが佳境へと向かう。

《遠藤俊幸》

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