ソニーは、米国テキサス州オースチンで行われるスマートグリッド実証実験「ピーカン・ストリート・スマート・グリッド実証プロジェクト」)に参加する。
ソニーは実証実験で、ユーザーにとって実用的で、楽しく継続的に利用したくなるHEMS(ホーム・エナジー・マネージメント・システム)を構築し、実用化に向けてシステムを検証する。
現在、家庭などに設置したスマートメーター(次世代電力計)をネットワークに接続。リアルタイムに電力需要を把握し、電力供給を最適化するスマートグリッドの取り組みは、発送電の効率化、スマートメーターなど系統側の利便を目的としたものが中心となっている。ソニーは、この分野でエンドユーザーのメリットを追求するため、ユーザーメリットの創造を重視している同プロジェクトに参加を決めた。
今回の実験では、テレビ用インターネット接続機器を対象の全家庭に導入する。リビングでTVを見るのと同じ感覚でいつでもエネルギーマネジメントのポータルサイトを閲覧でき、誰でもシステムに参加できる。また、サイトにアクセスすることが楽しいと感じてもらえるゲームやフリーコンテンツ配布などのサービスを検討する。
将来的には広告などのビジネスモデルと組み合わせることで、ユーザーの金銭的負担を無くしたHEMSシステムの運営を目指す。
また、効率的な省電力マネジメントも検証する。独自開発の電力需要予測技術などによって、あらかじめ電力のピークや余剰時間帯を予測。余剰時間帯を利用してバッテリーや電気自動車のチャージを行うことや、ピーク時にバッテリーを使用することで電力系統全体の負荷を抑え、電力供給者側とユーザー側の双方にメリットのあるシステムを構築する。
さらに、ネットワーク経由でコントロール可能なサーモスタットを全戸に導入し、ピーク時間帯においてユーザーに不便を感じさせない範囲内で空調制御を行うことも視野に入れている。
一部の家庭では、電力消費のピーク時に通常の系統電力を使用せず、ソニーで開発した蓄電ユニットを併用することで各戸の消費電力平準化を図る予定。
実験期間は2012年3月から2年間、最大で5年間を予定している。実験対象は最大で500軒の予定。