1日100tを目標に、福島原発5号機と6号機の滞留水の原発敷地内への散水が始まった。その動画が公開された。散水は伐採木の自然発火防止や粉じん防止と増加する滞留水の解消が目的だ。
初日の7日は、14時06分から15時50分まで1時間44分の間、実施された。環境管理棟の南側駐車場から伐採木ではなく、駐車場の隣地にある山林に向かって行われた。散水量は24立方m。
公開された動画は58秒あり、タンク車と消防ポンプ車を繋ぎ、ホースを構える姿は、放射性物質を防御するタイベックさえ着ていなければ、放水訓練用に見える。
10人ほどの作業員は、全員タイベックにアノラックやカッパを着込み、全面マスクで作業をしている。白、黄色など色や柄の違うタイベックを着ていることに意味はなく、タイベックの大きさを現すものらしい。
散水は、雨天を除き、毎日行われる。滞留水の放水は1万7000立方mを予定しており、毎日休まず続けたとしても170日に及ぶ長期間の散水となる。その間、福島原発も厳冬の季節を迎えることになるが、「冬場の伐採木乾燥にも注意が必要である」(東京電力広報担当者)ことから、その作業が止まることはない。