日産自動車は12日、次世代安全技術としてリヤカメラを用いたマルチセンシングシステムを発表した。
このシステムは、車体後部に付けられたバックモニター用のモノカメラを後方警戒装置として活用しようというもの。「バックモニターの標準装備化は年々進んでいるうえ、アメリカでは装備義務化という話も出ている。せっかくカメラをつけたのに、ただ後方視認だけに使うのはもったいないと考えて、モノカメラで実現できる便利な機能を実装しようと考えたわけです」(日産のエンジニア)
神奈川・追浜のテストコースで行われた試乗会で試作システムを体験する機会を得たが、使ってみるとなかなか便利。「ブラインドスポットワーニング(死角検出警報)」は、ピラーなどに隠れて見えにくい斜め後方にいるクルマを検出してアラートを出す機能。斜め後ろに接近しているクルマに気づかずうっかり車線変更しようとウィンカーを出すとちゃんと警報音が鳴る。
また、レーンの白線を認識して、巡航時にふらついて逸脱する可能性が高まったときに機能する「レーンデパーチャーワーニング(車線逸脱警報)」、変速機のセレクタレバーをリバースに入れたときに歩行者や自転車など動く物を検知する「MOD(移動体検知)」など、マルチ機能を持つ。カメラのハードウェアではなく、画像処理・認識ソフトの作りで機能を作っているため、ごくわずかなコストアップで実装可能なのだという。
このマルチセンシングシステムが初搭載されるのは2012年発売の新型車。その後グローバルに採用車種を拡大していく計画だ。