【メルセデスベンツ Cクラス 試乗】最高傑作のCワゴンはペットフレンドリーカーとしても傑作か?

試乗記 輸入車
メルセデスベンツ Cクラス
メルセデスベンツ Cクラス 全 22 枚 拡大写真

“メルセデスベンツ史上、最高傑作のC”。

そう呼ばれるのにウソはない。2007年にデビューした現行『Cクラス』はFMCまで3年を残し(予想)、2011年5月に大幅なMCを施した。見た目はあまり変わらなくても、実は2000か所におよぶ変更を受け、エクステリアではLEDヘッドライト&ポジションランプの新採用、インテリアではインパネ形状&素材、ナビの使い勝手の向上など、その改良部分は多岐にわたる。

ここでは「C250 BlueEFFICIENCYステーションワゴン アバンギャルド」のAMGスポーツパッケージ付きを試乗した。車両本体価格は597万円だが、各種オプションを満載した価格は716.8万円である。

実はこのCクラス、「C200」でも必用十分な動力性能を持つのだが、ワゴンということで荷物満載時のゆとりを考えると「C250」に軍配が上がるのはもちろんだ。

エンジン排気量と車名が一致しないのは最近の流儀。この「C250」も「C200」同様の1.8リットルターボのチューン違いで204ps、31.6kg-mを発揮する。さすがターボでトルクは厚いが、その回転フィールはBMWほどスムーズではない。タイヤは標準の225/45R17に対してF225/40R18、R235/35R18となる。

乗り味は徹底してフラットでスポーティだ。AMGパッケージ付きゆえさすがに硬めだが、ボディの剛性の高さ、硬めの掛け心地のシートのダンピングの良さがそれを相殺する。だから段差などでも不快じゃない。

ドラポジ、重心がごく低く、地に足がついたような、路面に張りついたような走行フィールも大きな特徴だ。高速走行、カーブでのタイヤの安定感、接地感の高さ、オンザレール感覚のフットワークはかつての「C」とは別物。最新のメルセデス一流の操縦安定性に惚れ惚れさせられる。そして走りの全体印象はあくまでも滑らかで硬質かつ高質。国産ワゴンとは別格だ。

前席より高めにセットされた後席は決して広くない。身長172cmのドライバー基準で頭上に130mm、膝回りに180mm(サンルーフ装着車。レガシイ同165/270mm)だから、国産コンパクトカーにも敵わない。ただ、シートの掛け心地は素晴らしく、長時間の着座でも疲れにくい。

荷物だけでなく、ペットを乗せる場所にもなる荷室は高級感溢れる仕立て。フロア地上高は575mmと、たとえばレガシイより25mmほど低く、中大型犬なら乗降は極めて容易。フロアは幅1100mm、奥行き1010mm、後席格納時の最大奥行き約1860mmと、大型犬でもゆったりできる広さ、容量の持ち主だ。ドッグネットは後席使用時、後席格納時のどちらの状態でも張ることができる。後席用エアコン吹き出し口もあるから、暑がりなペットが後席乗車しても涼しく快適だろう。

JC08モード燃費は11.8km/L。実燃費は驚くほどいいわけではないが、標準の17インチタイヤ装着車、「C200」の16インチタイヤ装着車ならペットフレンドリーカー(ワゴン)としての魅力は極めて高いと思える。こんなにスタイリッシュで高級感あるワゴンに乗れば、愛犬も鼻が高いはず!?、である。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
ペットフレンドリー度:★★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイトも手がける。ドッグライフジャーナリストの肩書も持つ。

《青山尚暉》

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