BASFのカラートレンド予測…北米、アジア・パシフィック、欧州それぞれのカラートレンドは?

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地域ごとのカラートレンド
地域ごとのカラートレンド 全 5 枚 拡大写真

BASFコーティングスは毎年、2~3年先のカラートレンドを発表しており、今年のグローバルのテーマは“Come Closer(ちょっと近くにおいでよ!)”とした。

このグローバルのテーマをもとに、世界共通のカラートレンドと、北米、欧州、アジア・パシフィックそれぞれ地域ごとのカラートレンドを予測している。

北米のテーマは“確信のない信奉者”だという。「リーマンショックにより、これまで信じていたものが空虚だったことがわかり、何を信じていいのかわからない。そうなると本当は自分の直感が正しいのではないか。自分自身を信じるべきかという、倫理的なところが含まれているのが北米からのテーマです」と話すのはカラーデザインセンターアジア・パシフィックグループマネージャーチーフデザイナーの松原千春さん。

「誰を信じていいのか揺れるような気持ちが表現されている、ちょっと繊細な色変化があるカラーの提案です。20年くらい前の欧州車にあったような、メタリックの入っていないネイビーのダークブルーなど、自動車で定番のカラー。保守的な原点に戻るという印象も詰め込んでいます」という。

アジア・パシフィックのテーマは“魅惑的な期待”。日本よりは中国やインドなど新興国で強調しているテーマだ。「中国やインドは勢いもあり、国民も将来に期待し、どんどん生活が豊かになっていくことを楽しんでいる気分がり、ちょっと浮かれてる方向にあるのも事実です」とする一方、「最近、若い人たちの中にも自分のしっかりとした価値観を持ったり、もしくは、物を買うときにもコストパフォーマンスをすごく検討したりという、新しい動きも出てきています」。

「高揚気分だけではなくて、知性的な方向で物事をじっくり考える人たちが出てきている、2面性をコンセプトにしています」

「将来に向けて自己研磨したり、地に足の着いた知性的な考え方を持つ人が新興国にも出てきています。ブラックやシルバー系の定番色の質感をアップしたものや、ブラックでも知性的な輝きを狙って、控えめな高級感、品の良い高級感みたいなところが、受け入れられるのではと思います」

「同時に、パーソナルな小型車が新興国で増えていくときに、キャラクターカラーとして使えそうな明るい色も提案しています」

欧州のテーマは“デリケートな探究”である。「背景にあるのは移民や移住。新しい文化が生まれたりする良い面がある一方で、例えば犯罪が増えてしまったり、宗教の違いによる摩擦、経済格差の問題など、そういった微妙でデリケートな問題が発生する。良い面と悪い面、難しいところがあるテーマです」。

「かなりエキゾチックなイメージの、歴史を感じるようなカラーが提案されています」

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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