三菱自動車は16日、長崎県五島市で、電気自動車『i-MiEV』の電力を使ったねぶた祭「i-MiEV ねぶた PROJECT」を開催した。現代美術家の椿昇氏による“うみうし”デザインのねぶたがi-MiEVとともに登場。子ども達のカウントダウンとともにねぶたが点灯されると、会場からは一斉に歓声があがった。
震災を機にEVは、移動手段としてだけでなく、移動可能な電源装置としての価値に注目が集まっている。三菱自は、EVに搭載された大容量電池から電力を取り出すことができる1500W電源供給装置を今年度中に市販予定で、今回のイベントもEVの新たな可能性をアピールする活動の一環として開催された。
舞台となった長崎県五島市は、世界遺産候補を有する自然豊かな観光地のひとつ。
EV利用を核としたクリーンで先進的な観光地をめざし、国から選定された「長崎県EV・PHVタウン構想」の主要プロジェクトとして「長崎EV&ITSプロジェクト」を推進している。市は、「今回のねぶた祭で、五島市のEVへの取組みが広くアピールできれば」と話す。
i-MiEVが光を灯すねぶたは“うみうし”をモチーフとしたもので、名前は「ドーリス」。ギリシア神話の海の女神の名前で、うみうしの英語名でもある。豊富な海産物や、透き通るエメラルド色の海が特徴の五島市をイメージして作られた。
会場には、昼に開催されたワークショップで作った光る帽子をかぶった約50人の子ども達が登場。ライトアップのカウントダウンをつとめた。ドーリスがi-MiEVの電力で点灯すると、会場からは拍手と歓声が巻き起こった。子ども達もドーリスの華やかな姿に、「きれい」「かわいい」など驚きと喜びの声をあげた。会場には六本木アートナイトで展示されたねぶたや、京都造形美術大学の学生作品なども登場し、色とりどりの光が五島の夕暮れを彩った。
仕掛人のひとりである椿氏は今回のイベントの手応えについて「これだけ沢山の子ども達の笑顔を見ることができて嬉しい。大成功です」と顔をほころばせる。
「今回は、音や動作と連動した新しい光の遊びを取り入れました。このように、今後は地域振興も祭りもテクノロジーとの結びつきが重要となるでしょう。EVは未来と環境へのモチベーションをかき立て、皆を幸せにすることができるロマンあるもの。モノづくり(EV)とコトづくり(祭り)を結びつけていくことが、我々の使命であり、それを起爆剤に日本の技術を世界に発信していけたらと考えています」と語った。