企業再生支援機構による原則的な支援決定期間は10月14日で終了した。帝国データバンクは17日、企業再生支援機構案件の実態調査を実施して、その調査結果を公表した。
企業再生支援機構は、地域経済を支える「有用な経営資源を有しながら過大な債務を負う」中小・中堅企業の再生を主に手がけるため、旧・産業再生機構の地方版の位置付けでスタートした組織で、設立から丸2年で合計19案件の支援を決めた。
同社では、10月14日時点で企業再生支援機構が支援決定している19案件について公開資料などをもとに業種別、年商規模別、金融機関別、支援決定時のスポンサー状況、再生スキーム、機構による支援内容を集計し、旧・産業再生機構が手がけた41案件と比較・分析した。企業再生支援機構に関するレポートは今回が初めて。
それによると、19案件を業種別に見ると「製造業」が7件でトップ。以下、「病院経営」の4件、「運輸業」の2件が続いた。旧機構が最も多く手がけた「ホテル経営」はゼロだった。
年商規模別では、「10億円以上100億円未満」が12件で、全体の6割を超えた。年商数100億円クラスの大企業が4割超を占めた旧機構に比べ、支援対象の中心は年商数十億円クラスの中堅企業が中心となった。
金融機関別では、「三菱東京UFJ」が4件でトップ。旧機構時は経営破たんした「足利」が11件と全体の4分の1を占めたが、今回は突出して支援申込の多い金融機関は見られなかった。
支援決定時のスポンサーの有無を調べたところ「スポンサーあり」は19案件中4件と全体の2割にとどまる。旧機構時の6割を大きく下回った。
機構による主な支援内容を見ると19案件のうち「出資」が10件、「融資」が6件、「債権買取」が13件だった。旧機構に比べ相対的に「融資」案件が多く、「債権買取」が少なかった。