【新聞ウォッチ】したたかVWに手こずるスズキ 提携解消難航

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気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2011年10月18日付

●東電、1兆円支援申請へ今年度賠償分、原発再稼働が前提(読売・1面)

●スズキ株売却VW改めて否定(読売・8面)

●タイ、日系工場広がる操業停止 4世界生産脅かす洪水(朝日・1面)

●「TPP、日本にプラス」野田首相インタビュー(朝日・4面)

●車向け鋼材薄く強く、省エネへ軽量化競争(朝日・9面)

●トヨタスマートグリッド実験、宮城・大衡村、太陽光発電活用(毎日・8面)

●欧州危機で輸出を失速、月例報告、半年ぶり下方修正(産経・11面)

●「Cクラス」初のクーペ(産経・11面)

●15台クラッシュ英国人選手死亡、インディカー最終戦(産経・31面)

●日野自動車、半世紀ぶり国内工場着工生産技術磨く拠点に(日経・9面)

ひとくちコメント

独フォルクスワーゲン(VW)とスズキとの提携解消をめぐる交渉が泥沼化している。

スズキは先週末、VWに対し、2009年12月に結んだ包括提携契約にVW側が違反しているとの通告書を送付。資本関係を早期に解消すべきだと改めて主張したが、VW側はスズキへの法的措置などを検討するとした声明を発表した。

さらに、17日には「同社の株式を保有し続ける考えに変更はない」とし、スズキ株の売却を改めて否定する見解を発表。きょうの各紙が「スズキ株売却VW改めて否定」(読売)なとど取り上げている。

一方で、東京などによると、独経済紙ハンデルスプラットは「両社の合意が困難な場合、提携契約にしたがって独立した第三者の仲裁による解決を図るべきだとスズキ側が主張している、と報じた」と伝えている。第三者の仲裁による解決は「両社の提携契約にも問題解決の選択肢として明記されており、両社の争いの長期化や訴訟費用負担が避けられる」と指摘している。

スズキ側が先週末に送付した通告書の回答期限を「数週間以内」としており、交渉窓口役の原山保人副社長は「提携解消に向けた円満な協議を早く始めたい」と述べていた。しかし、VW側は「両社は独占的な協議を内部で継続する」とし、「このため、さらなる思惑についてはコメントしない」との声明を発表するなど、したたかさの一端を見せつけた。

両社の争いを見ていると、レトリーバーのような猟犬にスピッツのような子犬がキャンキャンと吠えまくっているようにも思える。仮にスズキ側の言い分が正しいと認められても、記者会見の進め方を含め、泥仕合の様相を強めれば強めるほど、スズキに対するイメージダウンは避けられない。2階の夫婦げんかをあおる野次馬も多いことを忘れるべきではないだろう。

《福田俊之》

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