【ボルボ V60 試乗】惚れぼれする…青山尚暉

試乗記 輸入車
とにかくスタイリッシュなワゴンである。
とにかくスタイリッシュなワゴンである。 全 24 枚 拡大写真

ボルボ『V60』はそのスタイリッュさに惚れて衝動買いしてもまったく後悔しないであろう、素晴らしく美しいエステートだ。

試乗したのはお薦めのDRIVe。何とこのクラスの輸入車にして395万円という格安な値付けである。

エンジンは時代のど真ん中と言えるダウンサイズな1.6リットルターボ。JC08モード燃費は12.8km/リットルと悪くない。

走り出せば、エンジンフィールはボルボらしく(!?)ゴロゴロしてはいるが、さすが、24.5kgm/1600~5000rpmのターボトルクは余裕たっぷり。1560kgのボディを軽々と、爽快に加速させる。その気になればかなり活発でもある。

乗り心地はドイツ製ライバルのような高級感、しっとり感にはやや欠けるが、段差越えやうねり路などでもそこそこ快適。

本領を発揮するのは高速道路。直進性は文句なく、ドシリとして安心感たっぷりの走りを披露してくれる。

ボディサイズは全長こそメルセデスベンツ『Cクラス』と同等だが、車幅は1845mmとけっこう広い(Cクラスは1770mm)。このスタイリッシュさをデザインするには必然だった、かも知れない。

インパネはソフトパッド仕立て。が、メーター類、液晶文字はけっこう素っ気ない。過剰な高級感の演出など考えてませんよ、と主張しているようだ。

後席は足元中央の凸が大きめなのが難点。居住空間は身長172cmのドライバー基準で頭上に120mm、膝回りに155mmと、Cクラスの同130mm、180mmには及ばず。それでも2名乗車なら前席中央の空間が広いため、狭さなど感じずに済む。

「ワゴンと言えば!」のペットフレンドリー度はまずまず。荷室はフロア高665mmと高め(「Cクラスワゴン」575mm、『レガシイツーリングワゴン』600mm)だが、大型犬なら何とか飛び乗り、飛び降りれるフロア高だ。幅方向はこのクラスの平均値ながら、奥行きは950mmとそれほど広くない(Cクラスワゴン1010mm)。もっとも後席用エアコン吹き出し口がBピラーにあり、後席、荷室にもエアコンの風が届くからそこに乗るペットも快適だろう。

とはいえ、4:2:4分割式の後席をアレンジすることで荷室の奥行き拡大は自在。しかも荷室のフロアボードを立ち上げることで荷室を前後分割できるから便利。犬を乗せた後、ボードを立てて、荷物と愛犬スペースを仕切ることができたりする。

とにかく、シティセーフティなどボルボならではの先進安全装備満載で395万円の価格はライバルより割安。ナビパッケージを付けても420万円である。繰り返すけれど、世界中のワゴンの中でもっともスタイリッシュなワゴンの1台である。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
ペットフレンドリー度:★★★★

青山尚暉|モータージャーナリスト
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイトも手がける。ドッグライフジャーナリストの肩書も持つ。

《青山尚暉》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. そのホイール、何年使ってる? 知られざるアルミホイールの寿命と見極め術~カスタムHOW TO~
  2. ファン必見!『ミニGSX-R』は1000台注文あれば販売される!?「鈴鹿8耐」最注目の“スズキの隠し球”
  3. ダンロップのオールシーズンタイヤが安く買えるようになる?…独占禁止法の疑い
  4. 2人乗りの特別なトヨタ『シエンタ』登場に「日本一周したい」「こういうの欲しかったんだよ」など反響
  5. 内装はまるで「地中海のヨット」! VWが新型キャンピングカー『グランドカリフォルニア』発表へ
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る