【はやぶさ】高度な要素技術を紹介---東京国際航空宇宙産業展

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会場内に設けられた小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)の特設ブース。ブースの骨組みも凝っている
会場内に設けられた小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)の特設ブース。ブースの骨組みも凝っている 全 8 枚 拡大写真

 東京ビッグサイトにおいて開催中の「東京国際航空宇宙産業展 (ASET) 2011」。会場ブースでは航空機、ロケット、衛星などの要素部品が目白押しだった。ここでは、会場内に設けられた小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)の特設ブースの内容を中心に紹介する。

 特設ブース中央には、メインとなるはやぶさ本体の1/2スケールモデルが威風堂々と鎮座していた。はやぶさの帰還は大きな話題になり、映画も3本ほど制作されているので、もはや説明は不要だと思うが、簡単に触れておく。はやぶさは、2003年5月に打ち上げられ、2005年11月に小惑星・イトカワの着陸に成功。その後、幾多の困難に見舞われながら帰還が危ぶまれたものの、2010年6月に奇跡的に地球へ戻ってきた。持ち帰ったカプセルからはイトカワの微粒子が発見され、これまで成し得なかった成果に世界中から賞賛の声が上がった。

 今回の特設ブースでは、はやぶさの要素部品が展示されていた。たとえば、はやぶさのサンプル採取用ボックスの模型や、ターゲットマーカー試作品のほか、人工衛星・おおすみの模型などが紹介されていた。

 サンプル採取用ボックスは、平成22年度に江東区優秀技能者に認定された有限会社清水機械の山崎秀雄氏が試作したもの。まさに巧みの技が光る高度な機械製造・加工が日本最高峰の技術を支えているのだ。また、はやぶさに搭載されているイオンエンジンの模型もあった。

 イオンエンジンは、酸素のない宇宙空間で、アルゴンやキセノンといったガスをイオン化させ、電気力でそのイオンを加速して、後方に押し出すことで推進力を得るしくみ。燃焼というプロセスがないため、宇宙空間でも航行ができる。

 またソーラー電力セイル探査機の模型例も展示されていた。ソーラーセイルは太陽光で推進する宇宙船だ。太陽光がソーラーセイルの表面で反射すると、光子のエネルギーが帆への運動量に変換され、これが推進力となる。その際の加速度はとても小さいが、連続して発生するため、結果として相対的に短時間で速く航行できるようになる。

 実際に2010年には、金星探査機「あかつき」と相乗りする形で小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」が打ち上げられた。IKAROSは、世界で初めて、宇宙空間においてヨットのように帆を広げて航行し、さらに帆に付けた薄膜太陽電池で発電できることを証明した。

 このほか関連するものとして、三菱重工のブースでは、H-IIAロケットの後続となる「H-IIBロケット」のモデルを紹介。H-IIAロケットよりも打ち上げ能力を向上させるべくJAXAと共同開発したもので、国際宇宙ステーション(ISS)への輸送手段として、宇宙ステーション補給機(HTV)の打ち上げに対応しているという。

高度な要素技術を紹介していた「はやぶさ」の特設ブース

《井上猛雄@RBB TODAY》

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