三菱自動車は28日、2012年3月期第2四半期決算の発表を行った。その会見の席上、益子修社長はこのところの急激な円高について「何をすればいいのか。何をやってもなかなか成果として現れてこない」と苦しい胸の内を述べた。
益子社長は05年1月に急遽社長のバトンを受け取った以降、さまざまな問題に直面した。その間、部品メーカーをはじめ、従業員らが懸命に努力をし、コストダウンなど経費削減を行って乗り切ってきた。
「東日本大震災にしても、関連企業や従業員の努力で早期に生産を立ち上げることができた。今回のタイの洪水についても、非常に厳しい状況にあるが、力を合わせれば乗り越えることができると思っています。そして、その成果を全員が見ることができる。ところが、円高はそれとはちょっと異なる」と益子社長は強調。
いくら努力しても、達成感というのがなく、働いている人は徒労感しか抱かないのではないか、というわけだ。そのため、将来、日本でモノづくりを継続して入れるかという不安感も生まれているという。
「そういう状況下で、日本でなんとか生産を続けて行くとなると、日本のマーケットが今まで以上に重要になってくる。われわれとしても、国内で販売を上げたいと思っているが、国内の総需要は毎年下がっている。そこで、自動車取得税と自動車重量税の廃止についてはぜひお願いしたい。それを解決しないで消費税の増税となると、二重課税の問題もあり、国内での販売がますます厳しくなる。自動車工業会副会長の立場からも、対局的見地から考えていただきたい」と益子社長は力説していた。