モータースポーツ日本2大トップカテゴリーの競演「JAF Grand Prix SUPER GT & Formula NIPPON FUJI SPRINT CUP 2011」の開催を間近に控え、柳田真孝、谷口信輝、塚越広大の3選手が、この大会の魅力について語った。
3選手とも昨年の富士スプリントカップ初回に参戦しており、シリーズ戦終了後の“ひと味違った大舞台”は既に経験済み。SUPER GTはクラス別のレース実施となり、ペアを組むドライバーがそれぞれ単独で100kmの短距離レースを戦った末のポイント合計で総合順位が決まるなど、シリーズ戦とは異なる要素が多々あるが、柳田は昨年大会の印象をこう振り返る。「いつもとは違った、セパレートされた戦いで、ドライバー個人の戦いの要素が強くなりますよね。しかもスタンディングスタートですから、新鮮な気持ちで取り組めました」。もちろん真剣勝負だが、「やっている方も楽しめましたね」。
昨年はGT300チャンピオンとしてJAF GPに臨んだ柳田、今年はGT500のチャンピオンとして今大会を迎える。「(今年も)チャンピオンとして、気持ちよくJAF GPを迎えることができて嬉しいです。チャンピオンに相応しい走りをして、しっかり賞金を稼ぎたいですね」と、シリーズタイトルとJAF GPの“2冠”に向けて意欲充分だ。
今年のGT300シリーズチャンピオン、谷口も「チャンピオンらしい戦いをしたい」のは柳田と同じ。そして谷口は「僕はスタンディングスタートこそレースの最大の魅力のひとつだと考えていますので、ぜひそこを見ていただきたいですね」と強調する。
さらに谷口は「クラス別の短距離レースで、ピット作業もないので、勝ち負けが分かりやすいでしょ」と続けた。確かにシリーズ戦のレースは、事前知識がないと堪能しきれない面があるのも事実。「レースを見るのが初めての人にも分かりやすいし、レース通の人には新鮮」。なるほど、これはこの大会の最大セールスポイントと言ってもいいだろう。
塚越はGT500とFニッポンの“ダブル参戦選手”だ。昨年もそうだったが、マシンの乗り換えについての感覚的な“スイッチ”は「思っていたほどには大変じゃなかったですね。着替えの方が大変だったかもしれないくらいで」とのことで、さすがはトップドライバー、乗り換え相次ぐタイムスケジュールでも、どちらの愛機も完璧に乗りこなしてくる。そして「100kmの短いレースなので、とにかく前に出た人が勝つ。見ている人には分かりやすいと思うし、ドライバーも思う存分攻められるレースですね」と、攻め気たっぷりだ。
大会の会期は11月11〜13日の3日間で、GT500、GT300、Fニッポンの決勝レース(各22周)は、12日の土曜にGT500とGT300の決勝第1レースが実施され、13日の日曜にGT500とGT300の決勝第2レースおよびFニッポン決勝レースが実施されるスケジュール。100kmスプリントの最高峰バトルが都合5回も楽しめるのだから、谷口も言うように、レース観戦初心者にも、レース通にも嬉しい設定だ。富士スピードウェイを舞台に、国内トップ戦線を走る猛者たちが演じる今年最後の大勝負。見逃せない戦いになることは間違いない。