ホンダ、アース・ドリーム・テクノロジーの概要を発表

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ホンダ伊東社長(真ん中)とN BOX(東京モーターショー11)
ホンダ伊東社長(真ん中)とN BOX(東京モーターショー11) 全 6 枚 拡大写真

ホンダは、3年以内に各カテゴリーで燃費トップを目指すとともに、2020年までに全世界で販売する製品のCO2排出量を2000年比で30%の低減を目指す四輪の次世代革新技術「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」(アース・ドリームス・テクノロジー)の概要を発表した。

EARTH DREAMS TECHNOLOGYは、6つの技術で構成する。走りと燃費性能で世界トップレベルを実現したガソリンエンジン、世界最軽量を実現し、クラストップの加速性能と燃費性能を実現した小型ディーゼルエンジン、操る楽しさと燃費性能を高次元で両立したCVT、世界最高効率を実現した2モーターハイブリッドシステム、走りと燃費性能を両立した高効率・高出力のハイブリッドシステム「電動SH-AWD」、EV用小型高効率電動パワートレインの6つだ。

ガソリンエンジンは、独自のVTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)技術を進化させ、徹底的な熱効率の向上と低フリクション化により、高い出力性能と低燃費を両立し、拡張性の高い新骨格エンジンシリーズを新たに開発した。軽乗用車『N BOX』を皮切りに順次エンジンを刷新し、3年以内に各カテゴリーで出力特性と燃費性能トップを目指す。

660ccクラスから1.3リットルクラス、1.5リットルクラス、1.8リットルクラス、2.0リットルクラス、2.4リットルクラス、3.5リットルクラスまで多様なバリエーションを設定する。

小型ディーゼルエンジンは、エンジン剛性、燃焼指圧の最適化により、シリンダーブロックのアルミオープンデッキ化を可能とした1.6リットルクラスで世界最軽量のディーゼルエンジンとなる。現行の2.2リットルエンジンからのダウンサイジングに加え、各部のメカニカルフリクションを徹底的に低減することで、現行ガソリンエンジンと同等レベルの低フリクション化を達成する。

冷却システム改良による熱マネジメントも最適化、CO2を15%以上低減する。小型高効率ターボチャージャーの採用と往復摺動部の軽量化により、レスポンスに優れた軽快な走りを実現する。

CVTは、様々なエンジンに適合できる軽クラス、小型クラス、中型クラスのCVTを新たに開発する。高強度ベルトの採用により、ワイドなレシオレンジ設定が可能な骨格構造とし、ベルトとプーリー間の接触挙動解析技術と高精度油圧制御システムの導入により、さまざまな走行条件や環境下でもプーリーに最適な油圧を付与することが可能となり、燃費向上に貢献する。

電動オイルポンプを採用し高い応答性を実現したアイドリングストップシステムにより、燃費と扱いやすさの向上につなげる。変速、スロットル、油圧制御系の新協調制御「G-Design Shift」により、ドライバーの要求に素早く反応する。軽クラスでは、制御系デバイスや軸配置を工夫することで前・後長を短縮するとともに、トランスミッションケースの構成を簡略化するなど部品点数を削減する。

小・中型クラスは、軽量コンパクト化に加え、レシオレンジを拡大しながら伝達効率も大幅に向上させることで、従来CVTに対し約5%、同クラス5ATに対して約10%の燃費向上を実現する。

2モーターハイブリッドシステムは、走行性能を高めながらCO2低減にも対応した世界最高効率のシステムを新たに開発する。専用リチウムイオンバッテリー、チャージャーなどの採用によりプラグインハイブリッド車にも搭載可能で、2012年にプラグインハイブリッド、2013年にはハイブリッド車としてこのシステムを搭載した中型車を量産化する予定。

市街地などでは「EV走行モード」と、エンジンで発電した電力によりモーターを駆動する「ハイブリッド走行モード」、高速クルーズ時は、エンジンとタイヤが機械的に直結された「エンジン直結走行モード」と3つの走行モードを使い分けることで、さまざまなシーンに応じた最高効率のシステムを実現する。120kWの高出力モーターとの組み合わせにより、環境性能と快適な走行性能を高い次元で両立する。

高効率・高出力のハイブリッドシステム「電動SH-AWD」は、大型車に適したハイブリッドシステム。3.5LのV型6気筒エンジンにこのハイブリッドシステムを組み合わせることで、V型8気筒エンジンと同等の加速性能と、直列4気筒エンジン以上の低燃費を実現する。

エンジンと30kW以上の高効率モーターを内蔵した7速デュアルクラッチトランスミッションを組み合わせ、後輪は20kW以上の左右2つのモーターで独立して駆動する電気式の四輪駆動システム。高性能なリチウムイオンバッテリーを搭載し、フロントとリア2つのモーターを最適にコントロールすることで、低燃費で高い出力性能を持つ。

リアには独立した2つのモーターを配置し、新開発のリア左右トルクの自在制御システムによって革新的なオン・ザ・レール感覚のコーナーリングが可能。日常のさまざまなシーンで安定した走行を実現する。

EV用小型高効率電動パワートレインは、高効率同軸型モーター、低フリクションギアボックス、電動サーボブレーキシステムなどにより、米国で定められた条件値の交流電力消費率29kWh/100マイル(116MPGe)という世界最高の性能を実現する。

航続距離は、高エネルギー容量のリチウムイオンバッテリーを搭載することで、123マイル(LA-4モード)、210km(JC08モード)を達成する。米国の240V電源を使用した場合、3時間以内でフル充電が完了する。「SPORT」「NORMAL」「ECON」の3つの走行モードを設定、電力消費の少ない走行からスポーティーな走りまで、ドライバーが自由に選択できる。

《レスポンス編集部》

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