12月3日から一般公開の東京モーターショー2011。どうやら、モータースポーツファンにとって今回の最重要チェックゾーンは東1〜3ホール、ということになりそうだ。スバル、日産、そして日野。この3社のブースには、モータースポーツの匂いが満ち満ちている。
日本メーカーの国際舞台での活躍が縮小傾向にある昨今だが、年初のダカールラリー参戦を継続してきているのが、トラック界の雄、日野である。ド迫力の『日野レンジャー ダカールラリー2011参戦車』の他、過去の参戦を振り返る展示も充実。12月3日には菅原義正&照仁・両選手のトークショーも実施されるなど、モータースポーツへの“ちからコブ度”では今回一番と評してもいい日野。間近に迫ったダカールラリー2012(1月に南米で開催)での活躍を大いに期待しよう。
続いて日産。NISMO(ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)ブランドの拡充方針を発表したばかりだが、『LEAF NISMO RC』『JUKE NISMO concept』が、その存在感を主張している。なにしろ2011年はSUPER GT(GT500クラス)とGT1世界選手権、両方のドライバーズタイトルをR35GT-Rが獲得というビンテージイヤー(GT500ではチームタイトルも獲得)。その勢いが、NISMO、そして日産のモータースポーツ活動のさらなる推進への起爆剤となっていることが感じられる。
そしてスバルだ。話題面でトヨタの『86』が西(棟)の横綱なら、東(棟)の横綱はスバル『BRZ』、そう言っていいくらいに視線が集中している兄弟車だが、こちらBRZは既に来季のSUPER GT(GT300クラス)参戦を発表済。この東京ショーではGT300仕様デモカーも登場した。
いかにもSUPER GTマシンといった出で立ちの『BRZ GT300』だが、レース通なら、そのカーナンバーにピンと来るはず。No. 61。今季後半戦で2勝し、国産勢最上位のシリーズ4位となった『レガシィB4』はNo. 62だった。ということは、来季は2カーエントリーの可能性も? タイトルを狙えるところまで進化してきたB4と、話題車BRZとの魅惑のダブル参戦が実現したら……と、ここでも期待と想像は膨らむばかりだ。
東4〜6ホールには巨人ダイムラーもブースを構える。AMGのデモ映像にはレーシングシーンもたっぷり。また、横浜ゴムのブースには米国のヒルクライム最高峰レース、パイクスピーク参戦車が展示されている。
東京モーターショーといえば、トップドライバーの来場も魅力のひとつだろう。かつて1995年には、ちょうど東京ショーがF1日本シリーズ(TI英田=現・岡山国際と鈴鹿の連戦)の時期と重なっており、会場で多くのF1ドライバーの姿を見ることができたものだが、今回も国内トップドライバーには遭遇機会がありそうだ。取材日には、立川祐路、松田次生、山本尚貴の3選手がTV番組の収録を行なっていた。GT500ではレクサス、日産、ホンダの各陣営に別れて激しく競う彼らも、さすがにこの日ばかりは和気あいあいムード。
とにかくモータースポーツファンにとって、東1〜3ホールは必見ゾーンである。“東京モータースポーツショー”と言っても過言ではないくらいに、レーシングな内容が充実している。