【東京モーターショー11】BGMに乗せてデジタルデータを伝送……ヤマハ インフォサウンド

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専用アプリでスマートフォンのマイクで音を拾わせるとデータが伝送されて、URLを開く。向こう側に見えるのはTLFスピーカー
専用アプリでスマートフォンのマイクで音を拾わせるとデータが伝送されて、URLを開く。向こう側に見えるのはTLFスピーカー 全 3 枚 拡大写真

 音響機器メーカーのヤマハは、東京モーターショーのヤマハ発動機のブースに共同で出展した。ブースでは、超薄型シートの「TLFスピーカー」からBGMを流したり、音響信号のなかにデジタル情報を変調して伝送する「インフォサウンド」のデモを実施した。

 TLFスピーカーはThin・Light・Flexibleの頭文字からとった名称で、静電力を使って薄い振動版を震わせて音を出す静電式を採用しており、平面のシート全体から音が直進するため、指向性がきわめて高く、スピーカー正面であれば非常に遠くまで音が到達するという性質がある。

 厚さ約1.5mmで折りたたみも可能、A0サイズでも重量が400g程度と、非常に軽量なことも特長。ブースの周囲から流れる水流のようなBGMやSEは、壁の内側に仕込まれたTLFスピーカーから流れており、どこにスピーカーがあるかは判別しにくいが、指向性が強いため範囲内であれば小音量でも非常に遠くまで響く。

 サウンドネットワーク事業部商品開発部の細江誠一郎氏は、「壁に掛けてスピーカーの前面にカバーを装着し、印刷できるポスター型スピーカーとして利用するなどの形態が考えられている」と説明する。現在サンプル出荷中で、「TLFスピーカー(A0またはB1サイズ)」1枚と、「TLFアンプモジュール」1台のセットで10万5000円だ。

 このTLFスピーカーを活用して訴求していたのが音響データ送信技術「インフォサウンド」。これは人間には聞こえないが、スピーカーでは再生できる帯域内の高域(約18kHz以上)を利用し、デジタル情報を音響信号に変調して伝送し、専用アプリを起動させたスマートフォンで、音声内に含まれる短い情報符号(音響ID)を読み込ませる。伝送レートは最大約80bpsながら、電波帯域を使用せずに済む上に対ノイズ性が高いことも特長。

 ブースでは、URLの情報を仕込ませたBGMをアプリで読み込ませてサイトをブラウザで表示させるデモを実施。また、メルセデス・ベンツのブースでもインフォサウンドを活用したPRが行われている。

 TLF推進室企画担当部長の室井國昌氏によれば、「レストランや店頭などでURLやクーポン情報などを提供するといった利用例を検討中」とのこと。サウンドサイネージの活用例として、注目したい技術だ。

《北島友和@RBB TODAY》

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