【COTY 選考コメント】イヤーカーにふさわしいクルマがない…川上完

自動車 ビジネス 国内マーケット
Cクラスセダンとステーションワゴン
Cクラスセダンとステーションワゴン 全 6 枚 拡大写真

今年のCOTYは、例年に増して激戦だった。もっとも、これはイヤーカーを選ぶ我々選考委員にとっての話だ。というのは、イヤーカーとするにふさわしいクルマが無かったからだ。

結果としてイヤーカーになった日産『リーフ』だが、僕は7点を入れた。何故10点にしなかったか? それは、今の日本の交通事情の中で、日常的に使うにはまだまだ不十分な部分が多過ぎると思ったからだ。

確かにEVは経済性や省エネルギーの視点から見れば、理想に近い性能を持つ移動手段と言って良い。しかしながらリーフに関しては、時期尚早としかいい様が無い。クルマ自体の完成度の低さ(特にスタイリングに関して)と、クルマを取り巻くインフラストラクチュアの不備は、とても実用車と言うレベルには無い。「おや、動くじゃあない…」というだけでは、EVとしての存在理由は無いといって良い。これが、10点にしなかった理由だ。もちろん、EVの大いなる可能性は認めるが。

では、僕が何故メルセデスベンツ『Cクラス』に10点を入れたか? 少なくとも、完成度の高いクルマを造ろうと言う、メーカー全体の明確な意思が感じられたからである。それも、ゴタゴタと意味不明な(?)説明や解説などを読んだり、聞いたりするまでもなく、ステアリングを握ってモノの数kmも走れば、メーカーがこのクルマをどうしたいのか、どの方向に発展させて行きたいのかといったことが、明確に判ったからだ。これが、Cクラスを10点とした理由だ。

川上完|モータージャーナリスト
カメラマンを経て自動車評論を始める。特にメーカー・ヒストリーや個々のモデルについての歴史的な記事を得意とする。趣味のミニチュアカー収集は40年以上のキャリアを持つ。集めた台数は不明。5台のクルマと共に新潟県越後湯沢に暮らす。1946年生まれの62歳。

《川上完》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 新型アウディ『Q3』のインテリアを公開、「コラム式シフト」と新デジタルコックピットが目玉に
  2. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  3. 「強烈な需要がありそう」スバルの3列シートSUV『アセント』が今、SNSで話題に
  4. 「泥が似合うグレードを!」三菱『パジェロ』がPHEVで復活!? スクープ情報にSNS沸く
  5. 2.5Lエンジンを搭載する『インプレッサ』登場、米2026年モデルに「RS」
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. 湘南から走り出した車、フェアレディZやエルグランド…日産車体が量産終了へ
ランキングをもっと見る