【トヨタ カムリ 試乗】新エンジンで走りは格段に向上…松下宏

試乗記 国産車
トヨタ カムリ 新型
トヨタ カムリ 新型 全 10 枚 拡大写真

世界的にはトヨタの稼ぎ頭ともいえるクルマながら、日本では大きすぎるボディが嫌われて鳴かず飛ばずだった『カムリ』がハイブリッド専用車としてフルモデルチェンジした。

【画像全10枚】

今回もボディの全幅がわずかに拡大されるなど、大きすぎるクルマであるのは変わらないが、ハイブリッド専用車という特徴を備えることで、好調な初期受注を集めている。これほど変わるものかという印象だ。

大きめボディは室内の広さにつながり、これはこれで快適なのだが、1800mmを超える全幅は日本では使いにくいと感じるシーンが多いのも確か。このあたりはユーザーの使用環境も影響する。

ハイブリッド車は電池を搭載するためにトランクスペースが犠牲になることが多いが、カムリには440リットルという十分な容量が確保されている。トランクの奥の方は妙に凸凹した形状をしているが、容量的には十分な印象だ。

カムリは走りが格段に良くなった。従来のカムリとの比較ではなく、レクサス『HS250h』やトヨタ『SAI』などと比べて良くなっている。新型カムリではハイブリッドシステムが新開発の2.5リットルエンジンと電気モーターの組み合わせに変わったことが大きな理由だ。

エンジンは従来と同様に効率を重視したアトキンソンサイクルを採用するものの、排気量の拡大などによって動力性能が110kW/187N・mから118kW/213N・mへと向上した。モーターは従来と同じ2JM型でハイブリッドシステムの基本もTHS-2で変わらないが、システムとして出力できる性能も向上している。

結果として、発進時のEV走行や街中などの低速域ではとても静かでスムーズ、アクセルを踏み込んだときには俊敏で力強い加速といった感じで、ハイブリッド車ならではの気持ち良い走りが得られる。

燃費も26.5km/リットルを達成した。SAIの燃費が23.0km/リットル(2011年10月のマイナーチェンジで24.0km/リットルになった)だったから10%以上の向上だ。コンパクトカーや軽自動車並みというか、それ以上に優れた燃費性能である。

新しいカムリは足回りの印象も変わった。従来は快適性を重視した柔らかめの味付けで、とても快適ではあるもののふわついた印象もあった。それが今回は乗り心地をさほど悪化させることなく、しっかりした感じの乗り味に仕上げている。タイヤサイズが大きくなったことも含めて、走りの味付けが変わった。高速道路などで継ぎ目を意識することも多くなったが、全体として走りの質感が向上した。

価格は304万円からの設定で、SAIなどに比べたら割安な印象がある。ただ、1ドル=70円台中盤にある現在の円ドルレートで考えると、日本での価格はアメリカでの価格に比べてざっと100万円くらい高い。これは本当に困った問題である。304万円のベースグレードは装備がしょぼいので、買うならGパッケージになる。

今回のカムリでは残念なことがふたつある。従来は日本向けだけに用意されていた4WD車がなくなったことと、オプション設定されていたプリクラッシュセーフティシステムが廃止されたことだ。特にプリクラッシュセーフティシステムは低価格化しての復活を望みたい。

■5つ星評価
パッケージング:★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

松下宏|自動車評論家
1951年群馬県前橋市生まれ。自動車業界誌記者、クルマ雑誌編集者を経てフリーランサーに。税金、保険、諸費用など、クルマとお金に関係する経済的な話に強いことで知られる。ほぼ毎日、ネット上に日記を執筆中。

《松下宏》

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